オバマ元大統領が何よりも愛犬を大切にした理由、「ホワイトハウス1年目の数々の喜びのなかで、ボーがやって来たことに勝る喜びはなかった」

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芝生でたわむれるバラク・オバマ大統領とボー。2009年、ワシントンDCのホワイトハウスにて(写真:Courtesy Barack Obama Presidential Library)
古今東西の小説家、詩人、芸術家、音楽家、政治家、思想家たちは、どれほどの愛をもってペットに接し、そして別れに向き合ったか。『ペットを愛した人たちがペットロスについて語ったこと 作家・アーティストたちの152の言葉』(フィルムアート社、2025年5月24日発売)には、心温まるエピソードが満載されている。ここでは、その中から、アメリカのバラク・オバマ元大統領と家族と愛犬に関するエッセイを紹介する。

「ともに行こう、ホワイトハウスへ」

2008年11月4日、季節はずれのあたたかさに包まれたその夜、シカゴのグラント・パークには数万人の観衆が集まり、巨大なスクリーンに映し出される大統領選の結果を見守っていた。

中央標準時の午後10時、CNNはオバマが当選確実だと発表した。史上はじめて、アフリカ系アメリカ人の大統領が誕生した。その歴史的瞬間を、25万人近くに達した群衆が分かち合い、歓喜に沸いた。

「アメリカはあらゆることが可能な場所だということをまだ疑う人がいるなら」と、オバマは目の前に詰めかけた熱狂的な支持者たちに語りかけた。「建国者たちの夢がいまも生きつづけているのかどうか、アメリカの民主主義の力に疑問を抱いている人がいるのなら、今夜がその答えだ」

勝利演説をつづける前に、オバマは自分をこの瞬間へと導いた人々、特に最愛の妻で次期ファーストレディとなるミシェルに感謝を述べた。そして、娘たちにこう呼びかけた。

「サーシャとマリア、きみたちが思うよりもずっと、わたしはきみたちを愛している。新しい子犬を連れて、ともに行こう、ホワイトハウスへ!」

選挙結果にかかわらず、オバマ夫妻は娘たちに犬を飼うことを約束していたのだ。

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