【朝ドラ あんぱん】やなせたかし「後悔した就活」の顛末 「電通のほうがよかったかなぁ…」と就職先を見て少し後悔がよぎったが…
今までやったこともない「色校正」、つまり色のチェックも先輩がやっているのを見よう見まねで挑戦している。ルーペを使いながら、印刷所にこんな適当なことを言ったのだという。
「赤アミ10パーセント増しだ。顔がちょっと黄色っぽいよ。これじゃ黄ダンの患者じゃないか。薬の広告だから困るなあ、うーん、バックの青をもっと明るく、タイトルをくっきりだしてね。そうだな黄アミ10パーセント減らして」
いい加減なものだが、やなせからすれば、現場でデザイナーとして働けているという高揚感で胸がいっぱいだったことだろう。
時が過ぎるのが速いほど好きな仕事を見つけよう
製薬会社で働いていたサラリーマン時代について、『ボクと、正義と、アンパンマン なんのために生まれて、なにをして生きるのか』(PHP研究所)で、やなせはこんなふうにつづっている。
「マンガとかイラストをやらせてもらって、いい勉強になりました。仕事が面白くて仕方がない毎日。時間なんか過ぎるのも忘れるくらいでした。少しもつらいと思ったことはありません」
新天地で生き生きと仕事をする毎日を送った、やなせたかし。天国で寛もその様子をみて「好きなものはやればやるばあ こじゃんと好きになる」と目を細めたことだろう。
【参考文献】
やなせたかし『人生なんて夢だけど』(フレーベル館)
やなせたかし『ボクと、正義と、アンパンマン なんのために生まれて、なにをして生きるのか』(PHP研究所)
やなせたかし『何のために生まれてきたの?』(PHP研究所)
やなせたかし『アンパンマンの遺書』 (岩波現代文庫)
梯久美子『やなせたかしの生涯 アンパンマンとぼく』 (文春文庫)
真山知幸『天才を育てた親はどんな言葉をかけていたのか?』(サンマーク出版)
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