【クラシックカーにも最新モデルと同様のサービス】マセラティが新たにスタートした「マセラティ・クラシケ」とは?旧車とSDGsの在り方を問う

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このアーカイブ資料複製サービスでは、「どのようにクルマが作られたのか」「どのようなオリジナルパーツが使われていたのか」「以前のオーナーはどこで、どのようにメンテナンスを受けていたのか」などの情報を、わかる範囲でユーザーに提供する。このようにマセラティでは絶版車の保存、さらに現オーナーに対して“新車同等に普通の乗って楽しめる”という価値を提供しているのだ。

ユーザーの若返りを図るマセラティの戦略

マセラティ・クラシケの日本導入、また新型車も含めた今後について語る木村氏
マセラティ・クラシケの日本導入、また新型車も含めた今後について語る木村氏(筆者撮影)

最後にマセラティの成長戦略についても触れておく。新車購入者の年齢層について、現在の中央値は53歳という話だった。さらに経営者や開業医などのセルフエンプロイ(自営業者や起業家など)が85%、企業で働くビジネスパーソンは15%という比率だという。また、その中で女性ユーザーは15%ほどということだ。ちなみにお隣の韓国をはじめ、ASEAN地域における購入者の平均年齢は30代後半と、かなり若返りが進んでいるそうだ。

ただ、2016年にブランド初のSUVとして登場し、日本国内で月販100台、年間で1000台以上を記録した「レヴァンテ」からは購入者層にも変化が表れたという。街中でも「マセラティを見かける機会が増えた」と感じた読者もいるだろう。

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さらに現行モデルの「グレンカーレ」も車両価格1100万円からという価格設定で、高嶺の花から頑張れば買えるブランドにイメージが変化しつつある。そのほかにも近年は若年層や女性にも積極的にアプローチを行い、マセラティはビジネスパーソンの購入比率を15%から30%、女性購入比率も15%から25%へ増やすという目標を掲げ、若返りを図っているという話も聞けた。

とはいえ、まだまだ手の届かないラグジュアリーカーというイメージも強いだろう。そんな声に対し、木村氏は「10年後には、完全にEVにクルマが置き換わっているかもしれません。だからこそ、少しでも余裕があれば、ためらわずに趣味性の強いクルマを楽しんでもらいたい。そのひとつの選択肢として、マセラティを考えてもらえれば嬉しい」と語った。

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三木 宏章 東洋経済オンライン編集者・記者

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みき ひろあき / Hiroaki Miki

1984年5月5日生まれ。三重県出身。鳥羽商船高等専門学校・電子機械工学科卒。チューニングカー雑誌の編集者としてキャリアをスタート。その後は、パソコン/スマートフォン/ガジェット等の雑誌編集、ITコンサルティング会社にてWEBコンテンツ企画・製作等を担当。得意分野は自動車を中心にものづくり全般。また、過去に1年半で17ヶ国、バックパッカーとして放浪した経験もあり。

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