【クラシックカーにも最新モデルと同様のサービス】マセラティが新たにスタートした「マセラティ・クラシケ」とは?旧車とSDGsの在り方を問う

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ギブリ スパイダーとともに展示された、現行モデルの「グランカブリオレ」。マセラティの最新オープンカーで、展示されていたグランカブリオレ トロフェオの車両本体価格は3120万円。オプションを含んだ価格は3294万円
ギブリ スパイダーとともに展示された、現行モデルの「グランカブリオ」。マセラティの最新オープンカーで、展示されていたグランカブリオ トロフェオの車両本体価格は3120万円。オプションを含んだ価格は3294万円(筆者撮影)

そんなマセラティ・クラシケだが、2021年のイタリアでスタート以来、日本を含めた世界各国から申請のあった80台以上の車両に対して審査を行い、認定証を発行している。その中には日本から車両を輸送し、認定を受けた1968年製ギブリ4.7クーペも含まれている。現状、日本国内でマセラティ・クラシケの認定を受けているのは、その1台のみとのこと。そのことからもイタリアに輸送して認定を受けのは、非常にハードルが高いことがうかがえる。

認定の対象になる車両は、1947~2002年に生産されたモデル。具体的には、1947年から1978年に生産されたクラシックモデル、1978年以降に生産されて20年以上が経過したネオクラシックモデル(「クアトロポルテIII」を含む)、「MC12」やその派生モデルをはじめとするスペシャルカーだ。例えば、セブリングやメキシコ、ギブリなど、歴史的にも価値の高いモデルが該当する。

なぜ、新車と同様に旧車を扱うのか?

ギブリ スパイダーのインテリア
ギブリ スパイダーのインテリア(筆者撮影)

ただ、残存台数も限られ、減っていくクラシックカーのサポートまでするというのは、自動車メーカーのビジネスモデルを考えれば非効率に感じる。販売台数の多い新型車や現行車ならともかく、日本国内にあるマセラティのクラシックカーとなると非常に希少だ。話によれば、1947~2002年という時期の車両は、全世界でも年間数千台程度の販売で、日本に入っている車両は非常に少ないと聞く。

そんなマセラティ・クラシケ日本導入の理由として、マセラティのオーナーは、現行モデルであれ、クラシックカーであれ、自身でロングドライブを楽しむ人が圧倒的に多いことを挙げる。「高級スポーツカーの場合、資産価値が下がることを懸念し、ほとんど乗らないというユーザーが近年増えています。しかし、マセラティは、普段の足として選ばれる方が多く、サポートを求める声が多いんです。その理由は、運転しても疲れない、グランツーリスモとしての作り込みに起因しています。例えば軽井沢の別荘に行き、東京に戻るときに、首都高をもう1周したくなる、そんな楽しさがマセラティにはあります」と、木村氏は話す。

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