【クラシックカーにも最新モデルと同様のサービス】マセラティが新たにスタートした「マセラティ・クラシケ」とは?旧車とSDGsの在り方を問う

ちなみに本拠地はイタリア北部のエミリア=ロマーニャ州モデナで、同じくイタリアを代表するスーパーカーブランドのフェラーリやランボルギーニも近くに本拠地を構えている。この3ブランドはイタリアン高級スポーツという共通点を持つが、ものづくりにおいては異なる趣を持つ。例えば、フェラーリやランボルギーニはV12エンジンに代表されるハイパフォーマンスエンジンを搭載し、流麗かつ低いボディで、一般の人がイメージするスポーツカー像に近いだろう。
対するマセラティは、モータースポーツを起源とするが、市販車においては“グランツーリスモ”の思想が強い。グランツーリスモとは、長距離ドライブを快適にこなす高性能マシンであり、フェラーリやランボルギーニなどのピュアスポーツとは異なる方向性だ。優雅で快適、控えめな上品さこそがマセラティの持つ魅力といえる。
マセラティ・クラシケの概要について

ブランドの歴史や思想はこれくらいにして、本題の「マセラティ・クラシケ」ついて説明していく。概要は、マセラティのクラシックモデルの保存、修復、および車両の正当性(当時の仕様・状態を維持していること)を証明するヘリテージプログラムとなる。審査・検証を受けて認証された場合は、正当性を証明する認定証が発行され、さらに本国でスペアパーツの再生産や車両レストアなどのサービスも受けられるようになる。簡単にいえば、生産が終了した絶版車であっても、新車同様に自動車メーカーがサポートしてくれるサービスだ。ただし、これまでは認定を含む、すべてが本国イタリアでのみの対応となっていた。
マセラティ ジャパン代表取締役の木村隆之氏に日本導入について聞くと、「マセラティ・クラシケの認定プロセスは、これまで本国イタリアに車両を輸送する必要がありました。しかし、それではコストや時間もかかりますし、歴史的価値の高いクルマは輸送にかかる保険料も高額になりがちです。さらにイタリアへ輸送するので、事故等のリスクもゼロではありません。そんなオーナーの負担を軽減し、日本国内で審査・検証をできるようにしたのが今回のマセラティ・クラシケになります」と説明した。
認定プロセスについては、本国イタリアから専任の担当者が日本に来日して実施するそうだ。イタリア以外では日本が初の試みとなり、今年は最大8台を対象に審査を実施する予定。募集期間は2025年6月1~30日で、需要があれば来年以降も継続していくということだ。
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