「静かなる分断」を食い止める方法。本音の見えない部下、協力しない“線引き社員”との向き合い方

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面談するビジネスパーソン
(写真:mapo / PIXTA)
40~50代のビジネスパーソンにとって、部下との「会話力」は組織内で生き残るための必須条件。『週刊東洋経済』5月31日号の第1特集は「最強上司の会話力」だ。
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「最近の若い社員が何を考えているのかわからない」「協力しようという姿勢が見えない」

そんな声を、組織の管理職から聞くようになった。組織づくりに関わってきた私が感じるのは、考え方や価値観の違いを尊重するあまり、本質的な対話を避け、心の中で距離を置く「静かなる分断」が広がっている現実だ。

職場にはさまざまな人がいて世代や性別、待遇の違いから、見えない「壁」がつくられやすい。そのため本来なら互いを知るために対話が必要なのだが、配慮や遠慮が先立ち、腫れ物扱いをするようになり、相手と向き合うことをやめてしまう。

この傾向は、コロナ禍で加速した。余計な関わりを避け、当たり障りない付き合いをするほうが対立や衝突も避けられる。一見、穏やかでスマートな関係のようだが、会社や仕事、仲間への思いが希薄化していくリスクもある。

「静かに分断した職場」は、もはや社会現象のようなものだが、「最近の若い人は……」と大きなくくりで捉えるのは間違っている。若者の飲み会離れといった現象も報じられるが、上司と飲みに行くのを喜ぶ部下もいて、当然だが一人ひとり、考え方や嗜好は異なる。フィルターを外して、向き合う必要がある。

面倒でも対話の機会を

繁忙期でも定時で帰る部下に、できれば残業して協力してほしいが、上司でも言い出せないケースがある。この状況で上司が部下に向き合おうとせず、勝手に「責任感がない」と決めつけてしまっては心が離れる一方だ。

対話の機会を持てば、部下には定時で帰りたくなる仕事上の問題があるかもしれない。育児や介護、資格取得の勉強など、早く帰らなければならない事情があるかもしれない。

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