京阪電車の大津営業部技術課(車両担当)係長として大津線の車両メンテナンスを担う吉原博さんは「『3つの顔を持つ』とか『三刀流』とか言われているだけあって、路面電車として走るための車幅灯が付いていたり、勾配を上るために全電動車になっていたり、地下鉄線用にATC(自動列車制御装置)とATO(自動列車運転装置)が付いていたりします」と話す。

大津営業部技術課(車両担当)係長の吉原博さん(記者撮影)
床下には機器がびっしりと
吉原さんは1989年の入社以来、京阪線の車両メンテナンスを担当する寝屋川市の工場に勤務してきたが、2024年に大津営業部へ配属された。「京阪線の車両の場合、とくにモーターが付いていない付随車は床下が空いていますが、京津線の800系は4両にびっしりと機器が詰まっている点が異なります」と説明する。
800系が登場した1997年当時、京阪線ではすでにアルミ車体の電車が導入されていたが、併用軌道で自動車との接触した際の修繕を考慮して鋼製車体を採用。床下のバッテリーの箱などは厚めの板になっているという。

800系の床下機器。自動運転の地下鉄線用に「ATC/ATO装置」を搭載(記者撮影)
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