京阪800系、いったいどこまで「特別仕様」なのか 路面電車・山岳鉄道・地下鉄…乗り入れ先の装置も

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特別なのは足回りばかりでない。屋根上のパンタグラフは区間によって架線の高さが異なるために導入当初からシングルアーム式を採用。小断面地下鉄の東西線に対応し、厚さ約20cmの“超薄型”クーラーを搭載している。

「京津線用と京都市交通局(市交)線用では装置が違うため、メンテナンスも『×2』です。たとえば無線。京津線は空間波無線ですが、市交さんは誘導無線なので2種類の装置を載せています」(吉原さん)

京阪800系 超薄型のクーラー
800系の屋根上から取り外された“超薄型”のクーラー(記者撮影)
【写真の続き】厚さは約20cmという超薄型のクーラー。800系の屋根にはどのように取り付けられている?シングルアームパンタグラフは屋根のくぼんだ部分に

数え切れない「特別仕様」

路線の特性上、さまざまな装置を小さな車体にぎっしり詰め込んだ800系。ぜいたくな”オプション”など付ける余地はなさそうだが、なぜか京阪の車両で唯一というウィンドーウォッシャーを搭載している。「特別仕様」を一つひとつ挙げだしたらきりがなさそうだ。

5月16日には、明治の技術の粋を結集し、京津線と同じように琵琶湖と京都を結んだ「琵琶湖疏水」の関連施設が国宝・重要文化財に指定される見通しとなった。

超有名観光地の喧騒を横目に落ち着いた大津エリアに出かける「通」な旅行者や、鉄道ファン、そして誰よりも地元の通勤通学客には知られた800系の実力も再注目されてよさそうだ。

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橋村 季真 東洋経済 記者

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はしむら きしん / Kishin Hashimura

三重県生まれ。大阪大学文学部卒。経済紙のデジタル部門の記者として、霞が関や永田町から政治・経済ニュースを速報。2018年8月から現職。現地取材にこだわり、全国の交通事業者の取り組みを紹介することに力を入れている。

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