全国の電化ローカル線を走った「旧型国電」の記憶 飯田線「流電」から最後の現役、本山支線まで

7、8年前だったか、関西へ出張で行ったとき、大阪環状線のある駅で鉄道ファンの若者が「旧型国電」を待っている……と聞いてハテ?と思った。若い「撮り鉄」の彼にとっては、当時環状線でまだ現役だった国鉄時代生まれの103系電車は「旧型」の「国電」という分類なのであろう。
旧型国電、略して「旧国」とは?
では「旧型国電」とは本来、どのような電車を言うのであろうか。
モデルチェンジした新型車両が登場すれば従来の車両は「旧型」になっていくが、国鉄の電車、つまり「国電」には旧型と新型の明確な分かれ目がある。一般的に「旧型国電」といえば、1957年に登場した新しい駆動方式(カルダン駆動)の「新性能電車」101系より前に登場した、伝統的な駆動方式(釣り掛け駆動)の国鉄電車を指す。
103系は1963年の登場で、101系以降の新性能電車に当たる。つまり旧型国電には分類されないが、若い鉄道ファンにとっては古いものは古い。それで、本来の意味とは違うが「旧型国電」と呼んでいたのだろう。
今回は本来の意味での「旧型国電」、ファンには親しみを込めて「旧国」と略して呼ばれることも多い電車について紹介したい。
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