「隣人からもらった植物、青酸カリ並の毒性だった」人気漫画家のX投稿が話題の《キョウチクトウ》、全国で誤飲事故発生も植栽されている理由
兵庫県尼崎市では1952年、キョウチクトウを「市の花」に制定しています。昭和20年代にジェーン台風(1950年5月)などの災害に見舞われ、尼崎南部が海水につかってしまったものの、キョウチクトウは生き残ったことが由来といいます。
「花を咲かせ市民を元気付けたので、天災や戦災からの復興のシンボルとして選定された」そうです(尼崎市公式サイトより)。
千葉市でも、1970年にキョウチクトウを「市の花木」に制定しています。その理由について、「当時は、大気汚染など生活環境の悪化が社会問題になり、公害に強く、都市緑化への貢献度も高く、夏の暑さでほかの花が咲かない時期で、次々と花を咲かせるキョウチクトウは、千葉市の都市緑化の一役を担っています」と説明しています(千葉市公式サイトより)。
ほかにも、鹿児島市が1968年に南国の日差しと青い空が似合う「夏を代表する花」として、市の花にキョウチクトウを選んでいます。
各地で子どもが実や葉を口に含んで入院する事故
一方で、キョウチクトウは毒を持っていることでも知られています。
花や葉だけでなく、茎や根などすべての部分に毒があり、万が一口にした場合は、吐き気や下痢、めまい、腹痛などの中毒症状が出ます。また、選定した枝や生木を燃やした場合も、その煙は有害です。
実は、これまでにも誤飲による事故が発生しています。
沖縄県沖縄市の公園で2013年、キョウチクトウ科の「オキナワキョウチクトウ」の実を口にした1歳男児が救急搬送され、入院する事故が起きています(沖縄タイムス2013年10月1日付)。
2016年にも、高松市内で小学2年の男児2人が学校の校庭にあったキョウチクトウの葉を食べて、頭痛などの食中毒症状を訴えたといいます。男児2人はキョウチクトウの葉を3〜5枚食べたとのことで、一時は入院していました。