「家事ができないよう少女の指を…」泥沼化するアフリカ・スーダン内戦で見た”理不尽な暴力”と”飢餓”のリアル
国軍は、人々が密集する地域に繰り返し無差別な爆撃を行い、RSFとその支援組織は、大量殺害や組織的な性暴力などの非道な行為を繰り広げてきた。双方とも街を包囲し、重要な民間インフラを破壊し、人道援助を妨害している。
軍の争いで始まった戦闘で被害を受けているのは、子どもたちを含む一般市民だ。国連によると、5000万人いるスーダン国民の60%が人道援助なしでは生きていけない状況になっている。

人口の半分2460万人が栄養失調に
紛争下で人々の命を脅かすのは爆撃だけではない。深刻な食料不足による栄養失調でも、多くの子どもが苦しんでいる。
国際的な「IPC(総合的食料安全保障レベル分類)飢饉評価委員会」の2024年12月の報告によると、スーダンでは人口の半分にあたる2460万人が深刻な食料不足に陥っているという。
同年8月に北ダルフール州のザムザム国内避難民キャンプで最初に飢饉が確認され、その後10の地域に広がった。国連によると、スーダンは現在、飢饉が公式に確認されている世界で唯一の国だ。
アメリカ・トランプ政権が援助資金を削減したことで、スーダンでも多くの援助団体が活動の縮小を余儀なくされた。国境なき医師団はアメリカ政府からの資金提供を受けていないため直接的な影響はないものの、こうした援助削減がスーダンの人々に与える影響は甚大だ。