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台湾に来た中国人配偶者「陸配」がなぜ台湾の政治的問題として浮上したのか、その歴史と現政権の思惑、そして移民・人権問題(前)

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  • 早田 健文 在台湾ジャーナリスト、『台湾通信』代表
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そのときにわかったのは、彼らがすべての陸配を中国当局の代弁者だと考えていることだったという。

それから上官乱さんは、陸配に関する文章を書くようになった。陸配にインタビューし、資料を読み、陸配の実態を理解できるようになった。

ここからさらに対象を広げ、台湾が自慢する台湾の人権や自由とは何なのか、さらに台湾にいる亡命チベット人のことや、海外に逃れた中国の民主運動家が台湾ではどのように位置付けられているのかを観察した。

そうして、上官乱さんがわかったことはこんなことだと断言する。

「亡命チベット人や民主運動家は結局、台湾では政治的な道具にされているだけだということです」

台湾人以外の民主運動家は政治的な道具

例えば、亡命チベット人が中国での民族政策に反対するデモをやると、台湾でとても歓迎される。

ところが、彼らが台湾の身分証を取得したり居留証の取得、労働権を取得することはきわめて難しい。チベットの仏教僧が伝道のために台湾に来て滞在を延ばしたくても、ビザの延長はとても厳しいのが現実だ。

海外に逃れている民主活動家にしても、台湾にやってきて中国の政府を批判するのはいいが、台湾批判は許されない。

「台湾人は、台湾という土地には包容力があると自慢しますが、本当に包容するだけの心構えはできていません。陸配や東南アジア出身の人たちだけでなく、他の外国人に対する政策も非常に立ち遅れています。外国人が台湾の身分証を取得して台湾籍を取得しても、本心から彼らを自分たちの仲間だと認めることがありません」

 

中編に続く

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