元デロイト”Sランク”コンサルタントが伝授!GAFAやコンサルの”ケース面接”で無双できる「具体・抽象力」のススメ

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私たち世代が学校教育で受けてきたのは、「1+1=2」という世界。問題を与えられ、そこには必ず一つの答えがあり、それを導き出すという訓練です。たしかに、これは論理的思考力を鍛えるという意味では有効です。けれども、私自身は、論理的思考力だけではビジネスシーンで壁にぶち当たってしまいました。

ビジネスの現場は、数字や論理では解決できない曖昧さを大いにはらんでいるからです。ここに、論理的思考力を絶対視することの落とし穴があると感じています。

論理的思考力だけではビジネスシーンで活躍できない

学校教育で、「1+1=2」という、答えが決まった問題をひたすら解かせる訓練は、同じ論理的思考力の人間を生産するには効率的な手法だと思います。しかし裏を返すと、みんな同じ答えしか出すことができません。

しかも、それを今はコンピューターが簡単にやってくれる時代です。ですから、人間たる価値というものを考えると、与えられた条件をもとに、たった一つの正解を導き出す論理的思考力というものの価値は、相対的に下がっていくのではないでしょうか。

もちろん、論理的思考力に長けている人は素晴らしいです。けれども、そこだけに注力していると、これからの社会を生き抜いていくのは難しくなるかもしれません。

たとえば、大手企業の経営者など、ビジネスシーンでトップを走っている方々は、数字を見ることはもちろんですが、論理だけで物事を見ていることは少ないです。論理的思考力だけに頼るのであれば、数字を見て誰でも成功するでしょう。それが最も合理的だからです。

けれども、数字に表れないこと、顧客や現場の感性や感情など、現場の声を聞かないとわからないこともあります。数字という表面的な部分からは見抜けなかった本質が現場の声を聞くことで見えてくることもあるでしょう。

そうやって、本当に頭のいい人というのは、マクロの世界と現場の世界、抽象と具体を行ったり来たりすることで、本質を見抜いてアクションを起こし、未来を切り拓いていくのです。

(本論は決して「論理的思考力」そのものを否定するものではありませんし、具体・抽象力のうちに論理的思考力も含まれます。ただ、論理的思考のみにフォーカスを置くと見逃してしまう「こと」がある、という点を申し上げております。)

ちなみに、地頭がいい人というのが稀にいます。具体・抽象力とはひと味違う、頭の良さがここにはあります。しかし残念ながら、地頭の良さは先天的なものだと思います。要は遺伝です。だから、地頭がいいというのは素晴らしいことなのですが、鍛えるのは難しいと言わざるを得ません。

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