「中国-キルギス-ウズベキスタン鉄道」の建設始動 カスピ海横断し欧州に至る物流ルートに追い風

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「2024年の秋以降、中欧班列のロシア区間で貨物検査が強化され、中国の荷主のコンテナが差し押さえられるケースが相次いだ。今後はカザフスタンからカスピ海を横断してヨーロッパに向かうルートの輸送力を高めたい」。国家鉄路集団の関係者は、財新記者の取材に対してそう述べた。

カスピ海横断ルートはロシアを経由しない中欧間の新たな物流ルートとして期待を集める(写真はカスピ海横断国際輸送ルート協会のウェブサイトより)

中欧班列のカスピ海横断ルートは、カスピ海東岸のカザフスタンのアクタウ港から対岸のアゼルバイジャンのバクー港に渡り、さらに隣国のジョージアから黒海を通ってヨーロッパに至る。中国から貨物を運ぶ場合、ロシア経由に比べて輸送距離を大きく短縮できるのもメリットだ。

インフラ不足に多くの課題

中国の業界団体の調査レポートによれば、陝西省西安市、四川省成都市、重慶市などの(中国内陸部の)鉄道貨物ターミナルでは、カスピ海横断ルートの中欧班列の運行を積極的に増やしている。その結果、同ルートの2024年のコンテナ発送量は2万7000TEU(20フィートコンテナ換算)と、前年の26倍以上に急増した。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

しかし、カスピ海横断ルートでは鉄道、船舶、トラックなどの異なる輸送手段を組み合わせる必要がある。そのため、複数回の積み替えにかかるコストや時間のロスが避けられない。

また、上述の調査レポートはカスピ海横断ルートのボトルネックとして、カスピ海の船舶不足、アクタウ港とバクー港の荷さばき能力不足、ジョージアの鉄道の貨車不足などを列挙している。

逆に言えば、積極的なインフラ整備を通じてこれらのボトルネックを解消できれば、カスピ海横断ルートの伸び代は大きいと言えそうだ。

(財新記者:鄒暁桐)
※原文の配信は5月6日

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