ゼネコン各社が軒並み「初任給30万円」の背景事情――準大手の西松建設も初任給30万円、先行する長谷工コーポレーションは31万円に
未上場企業も含めた業界全体でも高水準になっていることは、就職情報サービスのマイナビの調査結果に表れている。
2026年卒の企業新卒採用予定調査によると、建設は23万619円。製造、商社、小売、金融など全9業界のうちマスコミの23万8988円に次ぐ2位となった。
初任給の引き上げが続く背景には、給与面の高さをアピールすることで、学生が抱く建設業のイメージを向上させ、採用につなげたいという強い動機が各社にある。
時流に乗るしかない
しかし、初任給の引き上げは経営体力次第であり、今後も際限なく続くとは限らない。
準大手ゼネコンの幹部からは、「30万円でなければ就活生の人気投票にエントリーできないのであれば、時流に乗るしかない。だが、ずっと上げ続けることはできない」という懸念の声も聞かれる。
初任給の引き上げと同時に、各社は労働環境の改善にも力を入れている。今年4月から時間外労働規制が適用された建設業界では、採用と並行して離職防止が重要な課題だ。西松建設の「実家帰省費」支給、東洋建設や大成建設の充実した転勤手当などはその一例と言える。
日本建設業連合会の宮本洋一会長(清水建設相談役)は、「建設業の中で初任給を上げて人を取り合うのではなく、他産業と遜色ない状態にしておかないといけない」と指摘する。
建設業に対する3K職場(きつい、汚い、危険)という従来のイメージを払拭しつつ、業界の魅力を広く伝えられるか。就活生の「売り手市場」が続く中、ゼネコン各社の情報発信と、若手に選ばれる職場としての環境整備が一層重要になっている。
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