三井住友カードとPayPay、ソフトバンクがタッグ。これまで対立軸にあったクレジットカードとコード決済が融合する時代の幕開けとは
加えて、これまでクレジットやデビットの機能が選択できた「Oliveフレキシブルペイ」の支払いモードに「PayPay残高払いモード」が追加される。Oliveを通して、PayPay残高を世界中のVisa加盟店で利用できるようになる訳だ。「PayPay残高を用いて、オープンループのスキームで、Oliveに搭載をしましたバーチャルなVisaのプリペイドを経由して支払いをしていく」と大西社長は説明する。

「ステージが変わった」ポイント連携の背景
VポイントとPayPayポイントの相互交換も戦略的に重要だ。Vポイントは9000万人弱、PayPayポイントは延べ2億9000万人の利用者を持つ。「タイプが違う2つのメジャーポイントが同盟関係を結ぶことで、どこでも貯まり、どこでも使えるという世界を実現できる」(大西社長)という。
ソフトバンクの宮川社長は興味深い発言をしている。2020年にTポイントとの連携を終了し出資も引き上げたソフトバンクが、なぜ今回あらためてVポイント(旧Tポイント)との連携に踏み切ったのかという質問に対し、「もうステージが変わった」と端的に答えたのだ。

「当時はTポイントとヤフーが中心に連携していたが、今はPayPayが成長し切った」と宮川社長は説明する。かつてはTポイントの経済圏に参画する立場だったソフトバンクとヤフーだが、今やPayPayを中心とした独自のポイント経済圏を構築し、「ソフトバンクの中で育ったPayPayポイント」と「三井住友グループの中にあるVポイント」が対等な立場で連携するという、まったく異なる関係性へと進化したのである。
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