三井住友カードとPayPay、ソフトバンクがタッグ。これまで対立軸にあったクレジットカードとコード決済が融合する時代の幕開けとは

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会見ではSMBCの法人向けのサービスTrunkでの展開も明らかにされており、従業員へのヘルスケアアプリの提供やメンタルカウンセリング、団体補償保険などをパッケージで提供し、「法人会員の健康経営に関する取り組みを支援する」としている。

PayPayにとっては、三井住友カードという強力なパートナーを得ることで、カード決済領域での競争力強化が見込める。また、今回の提携でPayPay残高が世界中のVisa加盟店で使えるようになる点も大きい。

PayPayで三井住友カードを優遇

今回の提携で最も注目すべきは、PayPayでの三井住友カード優遇だ。PayPayは2025年夏から秋にかけて他社クレジットカードを「新方式へ移行」するなか、三井住友カード(および三井住友カードが発行元となっているANAカードやAmazonカードなど)は「現行通り」利用料なしで紐付け可能とする。

PayPayカードの「新方式」は三井住友カードについては対象外とする(筆者撮影)

この「新方式」とは、PayPayが2025年夏以降に導入予定の他社クレジットカード利用システムで、ユーザーに決済手数料を負担してもらう可能性がある仕組みだ。PayPayは2018年のサービス開始以来、他社クレジットカードによる決済で国際ブランドに支払う手数料が自社の決済システム利用料を上回る状態が続いており、この収益構造の改善を図るために、国際ブランドとの協議を続けている。

会見での質疑応答では、中山社長は「エクスクルーシブ性はございません。条件が整えば他社さんとも会話をする」としつつも、「今回は経済条件を含めてさまざまな条件が三井住友カードさんとの間で合致した」と説明。三井住友カードとの提携によって、同社発行カードのみが当面、手数料負担から除外される特別扱いとなる点が、この提携の大きな優位性だ。

OliveでPayPayを優遇

一方、Oliveアプリ側ではPayPayの機能を大幅に取り込む。PayPay残高の確認やチャージ、SMBC口座への出金などがOliveから直接可能になる。

OliveでPayPay残高などを確認できるほか、三井住友銀行への手数料無料での出金が可能となる(筆者撮影)
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