「遊んでいないで勉強して!」は間違い?中学受験で差がつく "考える力"を育む3つの親子習慣――遊びの没入体験が大事なワケ

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アイデアを出さなくちゃ、何かいい切り口はないかな……と根を詰めた後のなんでもない時間に突然アイデアがひらめく、そんな経験を何度もしてきました。

実はこの現象、脳科学の研究で理由が明らかになっています。

私たちの脳は、ぼーっとしている瞑想状態に近いとき、デフォルトモードネットワークというアイドリング状態にあります。その間、脳は無意識下で働き続け、インプットされた情報を整理しているのです。

結果、意識下で根を詰めて考えた事柄が整理され、他の情報や過去の経験などと結びつき、良いアイデアへと変換されることがあるのです。

子どもたちに当てはめれば、学校で学んだことが放課後のなんでもない時間の間に整理され、「もしかしたら、あれはこういう意味だったのかな」「この間、授業で聞いたことはこの遊びと似ているかも」といったひらめきや発見につながっていきます。

私自身、子どもの頃によく空想していたことや、楽しいことを考えていた習慣が、ユニークなアイデアを生み出せる大人になれたこととつながっていると実感しています。

衝動を自分でコントロールする術

一方、本能的な欲求である衝動を理性でコントロールする力は、脳の前頭前野の成長と関係しています。低学年のうちはうまくできない子どもが多いですし、高学年になっても大人もそうであるように、常に冷静沈着でいられるわけではありません。

それでも経験的にいえば、落ち着きがなかったり、飽きっぽかったり、怒りっぽかった子も中高生になると、見違えるように安定していきます。これは前頭前野の成長と合わせ自分をコントロールする術(すべ)を身につけるからです。

友だちと夢中になって遊ぶ経験。自分の力で難しいパズルや工作を最後まで作り上げる時間。そうした没入体験が、集中力や粘り強く物事に取り組む力(忍耐力や衝動をコントロールする力)の土台となっていきます。

詰め込み型の学習よりも、好奇心をくすぐる遊びで力を身につけていく放課後時間のほうが、結果として子どもたちの可能性を広げていくのです。

また、日頃の生活の中で子どもたちが自分をコントロールする術を身につけていくためには、次の3つの習慣を意識していくといいでしょう。

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