「遊んでいないで勉強して!」は間違い?中学受験で差がつく "考える力"を育む3つの親子習慣――遊びの没入体験が大事なワケ

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子どもたちの学力向上には、非認知能力が大きく関わっています。なぜなら、学習の動機となる知的好奇心や探究心を育むことが大切であり、さらに重要なのは自律心です。

どれだけ頭が良くても、忍耐力や衝動をコントロールする力(本能的欲求を理性でコントロールする力)がなければ、学力は伸びていきにくいからです。

例えば、授業の復習や宿題でわからないところがあったときに、「なんとかわかるようになりたい」と粘る子と「もう嫌だ」と投げ出す子。やりたいゲームがあっても、見たい動画があっても誘惑に負けず、気持ちを切り替えて勉強できる子と、すぐに誘惑に負けてしまう子。

前者と後者では、同じ知的能力を持っていても、いずれ成績にはっきりとした差が出てきます。

それはスポーツや芸術などの分野でも同じでしょう。目標に向けてコツコツ努力を続けることができず、誘惑に負けてサボッたり、期待通りにならない場面ですぐに落ち込んでやる気をなくしたりしていると、思い描く成果は得られません。

つまり、非認知能力である忍耐力、衝動をコントロールする力の成長が重要だということです。

加えて、衝動をコントロールする力は、学習面だけでなく、社会生活全般に大きな影響を与えます。自分の感情をうまく切り替えられずにいると、友だちとの関係が不安定になったり、学校や学童でのトラブルも増えたりと、親子共に心が落ち着かない時間が長くなってしまいます。

こうした非認知能力の成長に余白の時間が不可欠であることは、繰り返しお伝えしてきた通りです。

「ぼーっとしている時間」が大事

それでも私たち大人は、遊んでいる時間やぼーっとしている時間をもったいないと考えがちです。特に中学受験に特化した学習塾などでは「無駄な時間はいらない」という発想が強く、放課後の時間を目一杯、学習で埋めようとする傾向があります。

でも、無駄でもったいない……ように見える時間こそ、子どもたちの非認知能力が伸び、認知能力の向上にもつながるヒントがあるように思います。

私自身、起業家として重要なアイデアが浮かんだ瞬間を振り返ると、電車での移動中、散歩の合間、ジムでストレッチをしているとき、入浴中、眠りにつく直前などの場面が思い当たります。

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