【全国制覇→倒産】儲からない中小企業の社長に欠けている“視点” 目標数字を達成した後に「業績低迷」する会社が多い理由
そのため、会社がまだ小さいうちは、社長はもともとの専門である営業や製造の業務だけではなく、経理や総務、倉庫や配送の仕事も自ら担当して、理解しておくほうがいいのです。
すべての現場を把握して、それに基づきながら長期的視野に立った業務改善や組織改革を実現できれば、確実に理想の経営に近づいていけます。
目指すゴールは人生の理想像
さて、「売上高100億円を目指す」「社員数100名を目指す」「全国47都道府県の制覇を目指す」など、指標となる数字や外形的な拡大を、経営目標として掲げる社長は多いものです。それ自体は必ずしも悪いことではありません。
こういった目標は、社内外の誰にでもわかりやすい「旗」となりますし、達成状況も測りやすいからです。今は6割まで達成した、次は7割を目指そう、と仕事のモチベーションともなります。
さらに、全国制覇や株式上場などをすれば、業界内や広く世間一般でも有名になりますから、それを実現した社長の自尊心は大いに満たされるでしょう。
しかし、全国制覇を実現したときが会社の成長のピークとなって、その後急速に業績が失速していく企業は少なくありません。そのまま倒産してしまった企業もいくつもあります。
その理由として挙げられるのは、目標達成のために無理をしてしまうということです。
売上高100億円が目標で今90億円だとか、全国47都道府県進出が目標で、今40都道府県まで進出したとなれば、社長の心理としてはどうしても、あともう少しだからなんとか達成しようと、無理をしてでも実現を目指すことになります。その無理が社長だけのことならいいのですが、当然ながら社員にも多少なりとも強いることになります。
問題は、その目標や夢の実現が社長発であり、社長の幸せのためだけに設けられたものである場合です。
社員にしてみれば、売上80億円が100億円になっても、40都道府県進出が47都道府県進出になっても、それ自体が特に嬉しいわけでも、自分や家族が幸せになるわけでもありません。
それなのに、社長からは「あと少しで目標達成だ。みんながんばれ」と尻を叩かれて、無理して働かされ続ければ、いざ目標が達成されたとき、「やれやれ」と、気が抜けてしまい、それまでのように必死に働くことができなくなってしまいます。
また、場合によっては、一時的に業績を伸ばすために、お客様の都合も考えずに無理な営業や販売活動で売りつけるような行為に走ってしまうこともあり得ます。
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