「スマホ自由にしたらゲーム漬けに……」東大合格者100名の学校が悩んだ《スマホ自由化》の末路とは……? SNS時代の中高男子にどう向き合うか

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とはいえ、急に話し合いといっても、普段から会話がないと、なかなか意思の疎通も難しいかもしれません。私が数々の家庭を見てきた経験からいうと、普段からたわいもない話をよくしているご家庭は、思春期になっても話しやすい関係性でいられることが多く見受けられます。食卓を囲むときなどに何気ない会話をさりげなく積み重ねていけるといいでしょう。

自分と異なる時代を生きる子どもを育てる過程では、将来の話をはじめ、価値観のぶつかり合いはつきものです。例えば、親世代は子どもに対して、つい「頑張れ、頑張れ」と根性論で押してしまいがちなところがあります。

親世代が受けてきた教育が要因なので致し方ない部分ではあるのですが、大人になると、努力だけではどうにもならない世界があることを、私たちはもう痛いほど知っているはずです。

それなのに、子どもに頑張れと言ってしまうのは、「努力するものが最後は報われる」という、これまでに刷り込まれた価値観があるからではないでしょうか。

もちろん、努力が不要だという話ではありません。けれど、生まれた頃からシビアな社会状況を生きている今の子どもたちは、基本的に努力家ですから、親からすると物足りなく見えても、子どもは「努力ならもうしているのに」と思っているはずです。

ご家庭でも親の価値観を押し付けるのではなく、一度現在の環境を鑑み、立ち止まってみてください。そして、上手く価値観のすり合わせを子どもとしながら、話をしていくのが得策です。

先行き不透明な時代は複線型の時代

高校生ともなると、ある程度、自分の将来像が見えてきます。これ以上にはなれないなと限界が見えてくることもあるでしょう。けれど、子どもが到達できないと感じていることでも、今の時代、違うルートで実現できそうなことも増えています。

先行きが不透明な時代だからこそ、親が中高生時代とは違うということを理解し、親も価値観をアップデートする必要があります。今、大学受験はどうなっているのか、その資格を取るには1つの方法しかないのかなど、様々な観点から情報収集をされてみてください。

例えば、司法試験予備試験の導入により、法学部はもちろん、法科大学院に通わなくても、法曹の世界に進むことが可能になるなど、夢を叶えるためのルートは増えているものです。

次ページ先行きが見えないからこそ、親もフレキシブルに
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