
“義務教育以外”を選んだ理由
片山さんの息子さんはモンテッソーリ教育が受けられる幼稚園に始まり、小学校には通うことなく日本のフリースクールへ、さらに9歳から16歳までは“世界一自由な学校”とも言われるイギリスの『サマーヒルスクール』に通った。
なぜ片山さんは息子さんに日本の“義務教育以外”の道を用意したのだろうか。
「子どもがまだ小さいとき、『バカをつくる学校』(成甲書房、ジョン・テイラー・ガット著)を読んでひどく衝撃を受けました。それまでは学校へ行くのが当たり前だと思っていました。それから学校に関する本を100冊以上読んで、『学校へは行くべきではない』と確信しました」
息子さん自身、学校への入学に後ろ向きだったと言う。
「小学校入学前に学校見学会に行くと、『学校へは絶対行かない』と言い張っていました。授業を教室の後ろから見ても『つまらなそう』と。どうして?と聞くと『みんな座って聞いているだけ』と答えたんです。学校嫌いな私の影響はないとは言えませんが、同じような考えの友人夫婦の子どもたちはみんな親の反対を押し切って学校へ通っています。本人も思うところがあったのだと思う」
妻も片山さんの教育方針に最初は驚いていたが、最終的にはその考えに納得し理解を示した。
それでも毎年、学年が変わる時期には「公立の学校で教育を受けたければ、それでもいい。自分で選びなさい」と伝え、そのたびに選択させてきたという。しかし、息子さんが日本の小学校を選ぶことはなかった。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら