59歳で誕生の”待望の我が子”を9歳から≪イギリスの全寮制スクール≫に入れた理由とは?11年経った「現在の親子関係」も聞いた

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取材中、片山さんは姿勢よく溌剌とお話を続けてくれた(撮影:梅谷秀司)
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23人に1人――。
妻との間に第1子が生まれた男性のうち、45歳以上の男性の割合だ。まだまだ多数派ではないが、20年前の「67人に1人」に比べ、格段に増えている。(厚生労働省「人口動態統計」2003年、2023年報を基に筆者集計)
アラフィフからの子育て、と聞くと「経済面、体力面ともに大変そう」とネガティブに捉える人も少なくない。しかし、当の本人たちはどのように感じているのか。
本連載では、45歳以上で「パパデビュー」した男性に、リアルな子育てライフを聞く。
第5回は、今から約20年前、59歳で初めて第1子を授かった片山さん(80歳)にお話を聞いた。
(本記事は後編です。前編:転職20回超え「出会いほぼゼロ」だった建築業の男性が"26歳差妻"と結婚し≪59歳≫でパパになるまで

“義務教育以外”を選んだ理由

片山さんの息子さんはモンテッソーリ教育が受けられる幼稚園に始まり、小学校には通うことなく日本のフリースクールへ、さらに9歳から16歳までは“世界一自由な学校”とも言われるイギリスの『サマーヒルスクール』に通った。

なぜ片山さんは息子さんに日本の“義務教育以外”の道を用意したのだろうか。

「子どもがまだ小さいとき、『バカをつくる学校』(成甲書房、ジョン・テイラー・ガット著)を読んでひどく衝撃を受けました。それまでは学校へ行くのが当たり前だと思っていました。それから学校に関する本を100冊以上読んで、『学校へは行くべきではない』と確信しました」

息子さん自身、学校への入学に後ろ向きだったと言う。

「小学校入学前に学校見学会に行くと、『学校へは絶対行かない』と言い張っていました。授業を教室の後ろから見ても『つまらなそう』と。どうして?と聞くと『みんな座って聞いているだけ』と答えたんです。学校嫌いな私の影響はないとは言えませんが、同じような考えの友人夫婦の子どもたちはみんな親の反対を押し切って学校へ通っています。本人も思うところがあったのだと思う」

妻も片山さんの教育方針に最初は驚いていたが、最終的にはその考えに納得し理解を示した。

それでも毎年、学年が変わる時期には「公立の学校で教育を受けたければ、それでもいい。自分で選びなさい」と伝え、そのたびに選択させてきたという。しかし、息子さんが日本の小学校を選ぶことはなかった。

本連載では、取材にご協力いただける方を募集しています(首都圏にお住まいの場合は対面またはオンライン、首都圏以外の方はオンラインでの取材となります。また仮名での掲載、顔写真撮影なしでも可能で、プライバシーには配慮いたします)。ご協力いただける方はこちらのフォームからご応募ください。
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