「交渉決裂こそが真の狙い?」自動車関税の議論すら拒否するトランプ "見せかけディール”の巧妙な罠
トランプ大統領のいわゆる「ボウリングの玉テスト」という虚偽の発言に対し、日本政府は、アメリカの安全基準を満たした自動車を自動的に承認する可能性を提案した(※トランプ大統領は、日本の官僚がアメリカ車にボウリングの玉を落とし、へこみができたら不合格にすると虚偽の説明をしている)。
しかし、安全基準を変更したとしても、日本におけるデトロイト・ブランドの販売に与える影響はごくわずかだろう。前述したように、デトロイトのメーカーは、多くの日本人が購入するような車種さえ製造していないのだ。
その結果、日本の「非小型」車市場(コンパクトカー以上)において輸入車が占める割合は9%に達しているが、デトロイトビッグスリーのシェアはごくわずかである。実際、日本に出荷されるアメリカ車の90%近くはジープである。
昨年の輸入車のブランド別新規登録台数を見ると、ジープはわずか9721台であり、これは輸入車全体のわずか2.9%にすぎない。対照的に、メルセデス・ベンツは約5万3000台、フォルクスワーゲンは約2万6000台を販売している。

どうあってもアメリカ車は日本では売れない
デトロイトの自動車メーカー3社の中で、現在も中型セダン(カムリサイズ)以下の小型車を製造しているメーカーは一つもない。競合他社とは異なり、彼らはそのような車種で利益を上げる方法を見出せていないのだ。いくつかの人気のある小型モデルを販売しているが、それらはメキシコで生産されている。
日本でどのような車が売れているかを見てみよう。2024年には、自動車購入の32%がいわゆる「軽自動車」であり、これはアメリカで言うサブコンパクトカーよりもさらに小さい。さらに21%は「小型車」であり、コンパクトカーやサブコンパクトカーに相当する。
残りの47%が「標準」サイズであり、中型セダンやクロスオーバー車以上に相当する。正確な内訳は不明だが、標準サイズのセグメントの中で最も大きな割合を占めるのはミッドサイズではないだろうか。
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