競馬である。
リバティアイランド(5歳牝馬)が死んだ。香港遠征を行い、レース中の怪我で安楽死処分となった。これほど悲しいことがあるだろうか。2023年の3冠牝馬。関係者のみならず、すべての競馬ファンが悲しみに包まれた。
それだけではない。日本競馬のさらなる発展をもたらすはずの日本競馬の至宝を日本競馬界は失ったのである。
日本競馬の課題とは何か
これは、オーナーのせいでも調教師のせいでもない。誰のせいでもない。日本競馬および最近の世界競馬界の価値観がおかしくなってきていたことが原因なのである。
競馬の目的とはなにか。人間のエゴではあるが、サラブレッドとして最も優れた血を見出し、それを残し、発展させ、さらなる優れた競走馬を生産していくことである。それ以外にはない。
ファンを得るのも、馬券を売るのも、そのための資金と生産システムを得るためにある。日本競馬がここまで発展したのは、故・吉田善哉氏をはじめとした、社台グループの馬の生産の実績によるところが大きいが、それを支えたのは、JRA(日本中央競馬会)の競馬広報戦略であり、JRAの圧倒的世界一の馬券売り上げである。一口馬主という一種の発明、イノベーションが支え、「ダービースタリオン」をはじめ、多くのゲームなども日本競馬を支えている。
今の日本競馬に最後に残されている課題は、日本が圧倒的な競走馬生産大国であり、生産馬の質でも圧倒的に世界一であるということを世界の競馬関係者に認めさせることであり、その結果、日本馬の血が、世界に広がり、世界に残り、そこから日本馬の血がさらなる発展をすることである。
そのためには、海外のレースで日本生産馬(本当は調教馬も)が勝ちまくることである。その血を欲しいと思わせることである。これはセレクトセールで馬の生産者が儲かるためではなく、日本馬の血が海外にわたり、世界中でそれを基礎として、さらなる血の発展をすることである。そのためには、圧倒的な種牡馬が必要である。
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