日本の良き習慣「お中元」や「お歳暮」が世界では"NG"のワケ――グローバルビジネスで失敗しないための倫理の新常識

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日本人は、意外と日本は先進国で、倫理・コンプライアンス水準は高いと思っている人も多いようですが、欧米諸国から見ると必ずしもそうではない側面もあります。

お中元やお歳暮も賄賂

日本では、昔からお中元やお歳暮という習慣があり、まだビジネスでも慣行のある業界や地域があります。

日本人はお世話になった方へのごあいさつ程度と思っていますが、利害関係のある間で物を贈り合うことは、多くの欧米諸国から見ると賄賂です。接待は今でも当たり前に行われている業界も多いと思いますが、これもグレーでしょう。

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以前、外資系製薬メーカーの日本法人に欧州から赴任してこられていた社長に問われたことがあります。

ある時、彼は自社製品(薬)を使っていただいている病院の院長の娘さんの結婚式に出席してくれと、そして会社で用意するのでご祝儀を持参するようにと、日本人役員から頼まれたというのです。

彼にしてみると、これは賄賂にしか思えない。日本人役員からは日本では当たり前の習慣だと聞いたが、本当にそうなのか、と私に問われました。彼はこれが本社に知れたら、私はクビになると悩んでいました。

日本では、業界によってはまだまだお客様を接待するという習慣や、費用は会社持ちで付き合ったりプレゼントをするという習慣があり、まったく悪気も感じていないでしょう。

しかし、欧米諸国では割り勘にするとか、ランチ程度で夕食は共にしないというような倫理観の国もあります。また、逆にまだ賄賂がないとビジネスが成立しないような国も多々あります。これは、国や地域の慣習や経済発展度合いによる違いがあるということです。

山本 紳也 株式会社HRファーブラ代表取締役

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やまもと しんや / Shinya Yamamoto

慶應義塾大学理工学部管理工学科卒、イリノイ大学経営学修士課程終了(MBA)。プライスウォーターハウスクーパースジャパンにおいてパートナーとして人事・チェンジマネジメント部門をリード。組織・人財マネジメント戦略に関わるコンサルティングに30年間従事。ビジネス戦略達成のための組織・人財マネジメント、考える組織の開発、グローバル化時代のリーダー開発、M&Aにおける人事サポートなどに経験豊富で、活力とイノベーションの生まれる組織と個の新しい関係を生涯の研究テーマとする。著書に、『ジョブ型vsメンバーシップ型』(共著、中央経済社)、『外国人と働いて結果をだす人の条件』(幻冬舎)、『人事の本気が会社を変える』(経営書院)、『新任マネジャーの行動学』(経団連出版)などがある。その他、組織人事に関わる論文・講演は、国内外において多数。

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