日本の良き習慣「お中元」や「お歳暮」が世界では"NG"のワケ――グローバルビジネスで失敗しないための倫理の新常識
「倫理」という言葉には、「人が行うべきものごとの道理=社会生活で人の守るべき道理」といった意味があります。人が社会で活動する際に善悪・正邪の判断においての判断基準となるものともいえるでしょう。
「倫理」は、その歴史・宗教背景などにより異なります。しかし、我々のビジネスフィールドや生活フィールドがグローバル化し、国境線がなくなることで、「倫理」にもスタンダードが求められるようになりました。
そして我々が直面する変化の激しいノーノーマル時代だからこそ、目の前の環境変化ではブレない倫理観が重要視されています。
お金儲けのために自然環境を壊していいのか? 法に触れてはいないが誰かを不幸にするビジネスは正しいか? 貧困国での児童労働をどう考えるか? リーダーの倫理観がリトマス試験紙になる時代です。
若者の倫理観についていけるか
就職面接で「社会貢献がしたい」という言葉をよく聞くようになったり、NPO法人の就職人気が高くなっていることなどからもわかるように、Z世代の倫理意識が高まっています。
企業や働き方を選ぶ際に、「給与が高いか」「休みが十分にあるか」「有名か」という基準以上に、「直接的に社会貢献をしている企業か」「正しい会社か」「働くことが自分にとって幸福か」というような軸が重視されるようになっています。
高度成長期をつくった戦後の昭和中期世代は、まず物理的に豊かになる(金銭的に豊かになり物欲を満たす)ということが人生の軸でした。
そして我々、昭和後期から平成の世代は、ちょうど価値観が混沌としてきて、さまよいながらも物理的豊かさ軸で敷かれたレールの恩恵を受けてきた時代でした。
それらの時代を経て、今のZ世代では、これまでの正解を踏襲すればうまくいくというマニュアルがなくなり、将来が見えないなかで、何を軸に生きていくのかを模索しています。その中で、1つの解が倫理観への眼差しなのかもしれません。
どんなにすごい技術を持っていても、どんなに給与が高くても、倫理観が欠けている、あるいは倫理観に問題があると思われる会社の人気は低くなるのが最近の傾向です。コンプライアンスを問われる会社は論外です。法令遵守上問題なくても、倫理観が問われる時代です。
逆に災害援助に積極的な会社、発展途上国の医療サポートや飢餓対策に積極的な会社、温暖化対策に積極的な会社などの人気が高くなっています。
企業としての取り組みはもちろんですが、部下から信頼されるため、一緒に働きたい上司と思われるためには、倫理観がとても重要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら