このところの円安は国力低下のせい?それとも新NISAのせい?「為替に関する臆測や誤解」を解く

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ただ、日本の人口減少や生産性の低さは、ここ数年で始まった話ではありません。

2023年の日本のGDPは4兆2861億ドルとなり、アメリカ・中国・ドイツに次いで世界第4位でした。これまで3位だったところから転落したわけで、この点も「国力が低下している」として注目されていました。

ただ、この背景にある理由は、主に円安と考えられます。

GDPの弱さと円安の関係

円ベースの名目GDP総額は、景気によって増減はあれど、傾向としては増加しており、2023年度は約595兆円と、前年度(約567兆円)から伸びています(※外部配信先では図を閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)。

(『円安はいつまで続くのか 為替で世界を読む』より)

しかし、伸びに関してドイツ(インフレが名目GDPの伸びを押し上げた)に後れを取ったことに加え、円安によってドル換算した際に弱い結果が出てしまったと考えられます。

GDPの弱さによって円安が引き起こされたわけではなく、むしろ逆といえそうです。

財政赤字に関しては、問題であることは間違いありません。債務残高はGDPの約2倍、これまで低金利で抑制されていた利払い費の負担が日銀の利上げ開始で増加してしまい、深刻さが増していくのではないかと懸念されています。

これが日本の信用を毀損(きそん)し、円安圧力になっていくのではないか、あるいはすでに円安圧力になっているのではないか、との見方があります。

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