このところの円安は国力低下のせい?それとも新NISAのせい?「為替に関する臆測や誤解」を解く

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円安
円安は「国力低下」のせいだと言われることもありますが、まず「何をもって『国力』とするのか」という定義から始めなくてはなりません(写真:ELUTAS/PIXTA)
円安はついに終わるのか?円の行方、見極めよ!
トランプ関税に端を発した「株価・債券・為替」が同時に下落したトリプル安によって市場が大混乱した昨今。その1つ、「為替」について仕組みを理解し、円安・円高のどちらに振れても対応できる知識を身につける必要があります。
為替についてちまたで言われている疑問を、解き明かします。
(ソニーフィナンシャルグループ(株)、シニアアナリスト、石川久美子:著『円安はいつまで続くのか 為替で世界を読む』より一部抜粋・編集し、「外国為替レートの仕組み」「円安に関する臆測・誤解」「円安のメリット・デメリット」について3回にわたってお届けします)

円安は「国力低下」のせい?

円安は「国力低下」のせいだと言われることもありますが、これについては、まず「何をもって『国力』とするのか」という定義から始めなくてはなりません。

よく論拠になってくるのは、労働力人口減少、生産性の低さ、国内総生産(GDP)の弱さ、財政赤字の大きさなどです。

人口減少や生産性の低さというのは、潜在成長率への逆風となります。潜在成長率が低下すれば、これは長期金利(潜在成長率+期待インフレ率+リスクプレミアム)の重石となることから、通貨の下落要因になります。

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