「数学が零点ではどうしようもない…」 《朝ドラ あんぱん》モデルの「やなせたかし」あまりに苦手すぎた数学の大胆戦略

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朝ドラ あんぱん アンパンマン やなせたかし
(写真: Hana / PIXTA)
NHKの連続テレビ小説「あんぱん」がいよいよスタートした。漫画家のやなせたかしと妻の暢(のぶ)をモデルにした物語である。やなせたかしといえば、子どもたちに人気の「アンパンマン」の作者として知られているが、ブレイクしたのは69歳のとき。30代でマンガ家デビューを果たして以来、長く不遇の時代を経験している。遅咲きだったやなせたかしは、いかにして飛躍したのか。『大器晩成列伝 遅咲きの人生には共通点があった!』の著者で偉人研究家の真山知幸氏が解説する。

やなせの夢に立ちはだかる「数学の壁」

「好きな道に進むのはいいが、田舎の中学で少し絵が上手いくらいでは、それで食べていくことができるとは思えない」

やなせたかしが「絵の勉強をしたい」と打ち明けると、伯父の寛からはこんな厳しい意見を突きつけられた。

だが、やなせの将来を案じたからこその言葉で、夢自体を否定したわけではない。寛はこんな提案を続けている。

「だが、図案をやれば、将来、職業になるんじゃないか」

やなせとしても、腑に落ちるものがあったのだろう。一浪したのちに、東京高等工芸学校図案科と京都高等工芸学校図案科に絞って受験した。

悩みの種はどちらの試験科目にも、やなせが大の苦手だった数学があることだ。

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