「話が通じない…」上司と部下が嚙み合わない本当の原因は“視覚化不足”だった!? 頭のモヤモヤを意外なほど整理できる“見える化”の魔法

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ここで、上司と部下の主張の違いを、図で整理してみましょう。

『AIと共存する時代の 数学脳 10歳から身につけるビジネススキル』
(『AIと共存する時代の 数学脳 10歳から身につけるビジネススキル』より)

上司は中長期的な視点から、部下は短期的な視点から意見を述べているので、この図では上司の意見と部下の意見を“中長期的な課題”と“短期的な課題”に分類して整理をしています。

もしこの2人が、お互いの立ち位置をこの図のように整理していたら、相手が何を考えているかが明確になり、歩み寄ることができるのではないでしょうか。部下は、「上司は自分たちの世代のことを考えて、新商品を企画するよう指示しているのだな」と冷静に考えることができ、「承知しました。新商品の企画を考えてみます。ところで、営業部から、商品の値下げができないか相談されています……」と、上司の指示を受け入れた上で、自分の相談をすることもできるようになるでしょう。視覚化することで、自分の考え方を変えることができるのです。

視覚化すると、新たな発見につながる

話は変わりますが、皆さんは、ご自身の仕事について中長期的な視点で考えていますか? 忙しい日々に追われると、私たちは目先のことを考えるだけで精一杯になってしまうことがあります。

「中長期的な視点をもつことは大切だ」という発言を耳にすることはあるかと思いますが、中長期的な視点をもつことを普段から意識している人は意外と少数派です。

しかし、先の図を自分の手で描いてみると、「中長期的な視点をもつことは大切だ」、「中長期的な視点をもたないとリスクがあるな」と、新たな気づきを得ることができます。課題には短期的なものと中長期的なものがあることを、図を描くことで意識できるからです。

職場では、相手が大切なことを伝えてくれても、その真意に気づかず大切なアドバイスが頭の中を素通りしていることが多々あります。上司や先輩からのアドバイスをメモする習慣がある人はいるかと思いますが、言葉だけでなく図でまとめてみると、新たな気づきを得ることにつながります。

これまでの説明で、視覚化することで頭の中がスッキリと整理できることを実感いただけたかと思います。このように視覚化する数学脳のスキルを“視覚化する力”と呼ぶことにします。

次ページ図を用いて分かりやすくする「描写力」
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事