"二刀流"戦略で躍進…!ドラッグストア覇権争い「最終決戦」のカギを握る企業の正体

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これに対して低価格食品売場で集客する、コスモス薬品やクスリのアオキといったフード&ドラッグはロードサイドに大量出店することで、一般的なドラッグストアを凌駕する成長力を持っている。

サンドラッグはドラッグストアで都市周辺を押えつつ、地方エリアをダイレックスで取っていくという「二刀流」によって多様な立地に出店することが可能となり、高い成長余地を維持していると考えられる。この二刀流が、売上高で勝るウエルシア、ツルハを上回る時価総額を生み出しているのである。

非効率に思える商品群だが「ちょうどいい品揃え」

サンドラッグの妙は、ダイレックスを正統派のフード&ドラッグにしなかった点にある。フード&ドラッグの先駆者コスモス薬品の品揃えは「生鮮以外の食品+医薬品・化粧品(薬粧)+日用雑貨」だ。生活必需品をおおむねそろえながらも、廃棄ロス発生懸念があり管理が難しい生鮮品は効率性を下げるとして基本的に扱わない。この効率性が高いコスパを生み出し、消費者の支持を獲得している。

クスリのアオキは「生鮮含む食品+薬粧+日用雑貨」で高い利便性を実現し、生活必需品ワンストップをかなり実現して地方消費者から高い支持を得ている。

ダイレックスは、クスリのアオキ同様の品揃えに加えて、軽衣料、家庭用品、軽家電品などディスカウントストアの名残の商品群を最低限残している。

ドラッグストアとしては回転が悪く非効率に思える商品群だが、これが地方郊外での生活における必需品ワンストップのほぼ完成形とも言える「ちょうどいい品揃え」になっている。日常生活で「ちょっと足りないから補充したい」というとき、近くにこうした店があると非常に便利なのだ。

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