"二刀流"戦略で躍進…!ドラッグストア覇権争い「最終決戦」のカギを握る企業の正体

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市場縮小度の低い大都市部シェアが圧倒的に高く、高収益商品(化粧品、医薬品)の構成比が高いマツキヨココカラは、収益力で下位を圧倒しているためだ。企業価値はウエルシア+ツルハでも追い付かない。コスモス薬品は、M&Aなしで出店によってここまで大きくなっているのであり、収益力というよりは、その成長力が評価されて2位ということになる。

今回、注目したいのは4位のサンドラッグである。首都圏ではかなり見かけるドラッグストアとして認識されていると思うのだが、この会社の成長要因は実はダイレックスという優良子会社がかなり貢献している。

大都市居住者の方にはあまり馴染みの薄い名前かもしれないが、実は地方生活者からは「とっても便利な店」として評価され、どんどん店が増えている。元々は九州の傾きかけたディスカウントストアをサンドラッグが買収して、2009年12月から傘下に入れた企業だ。

この子会社は直近では売上高3138億円、営業利益153億円と、大手ドラッグストアの一角にも匹敵する存在に育った。地方の衰退企業をここまで育てたサンドラッグの手法は、これからの地方マーケットでの小売業の在り方に大きなヒントになるかもしれない。この戦略について詳しく見ていこう。

衰退していったディスカウントストア

最近はあまり見かけなくなったが、1970~1980年代には全国各地の郊外ロードサイドには、さまざまなディスカウントストアが存在していた。この時代、クルマが全国に普及してロードサイドが小売チェーンの出店場所になったため、多様な商品を低価格で売るディスカウントストアも店舗を拡大し、首都圏で言えば、ダイクマ、アイワールドといった地域の繁盛店も現れた。

しかし、専門店チェーンが現れて、ジャンルを絞ってコスパの高い商品を提供するようになって、これらのなんでも売っている安売り店は急速に廃れていくことになった。ダイレックスもそうした総合ディスカウントストアの一角で、2000年代でもサンクスジャパンという社名で売上高900億円弱の上場企業として九州で存在感を示していたが、ディスカウント衰退の例に漏れずその経営は行き詰まることになった。

そこでサンドラッグが買収することになるのだが、当時はどうやってこの企業を再生するのだろう、と思ったことを覚えている。

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