"二刀流"戦略で躍進…!ドラッグストア覇権争い「最終決戦」のカギを握る企業の正体

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生鮮を装備して以降のダイレックスの店舗あたり売上高は、7億円弱から8億円前後に増え、店舗あたりの利益はほぼ倍増している。生活必需品ワンストップを完成させたダイレックスは、出店すれば売上高、利益共に増やせる体制を整えた。

フード&ドラッグは九州勢(コスモス、ダイレックス、ドラッグストアモリなど)、北陸勢(クスリのアオキ、ゲンキーなど)が中心であるため、関東以東はこれから本格的な争奪戦にはなるが、成長余地は十分に残されている。

ダイレックスはフード&ドラッグ大手がすでに出揃って混戦となっている中部地方は後回しにして、関東郊外の攻略を急いでいる。首都圏を地盤とするサンドラッグの別動隊が関東郊外部を席巻する日も遠くないだろう。

激動するドラッグストア業界の最終決戦の行方は

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最後におまけのトピックをひとつ挙げるなら、サンドラッグがダイレックスを買収した直後、テコ入れに乗り込んで社長として再生、新ダイレックスのモデルを作った経営者こそ、現在、サンドラッグの社長である貞方宏司氏である。

改革前後を見てきた筆者の視点では、あのくすんだ「バッタ屋」のようにも見える店舗を、明るく清潔な生活必需品ワンストップのひとつの完成形に変えてしまった手腕は驚くべきものと言えよう。ドラッグストア業界で「二刀流」を確立した経営者が率いるサンドラッグが、今後の激動するドラッグストア業界の最終決戦にどう臨むのか。この業界の覇権の行方はまだまだわからない、と思うのである。

中井 彰人 流通アナリスト

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なかい あきひと / Akihito Nakai

みずほ銀行産業調査部で小売・流通アナリストに12年間従事。2016年同行を退職後、中小企業診断士として独立、開業。同時に、ベンチャー支援活動、地方創生支援活動を開始。並行して流通関連での執筆活動を本格化し、TV出演、新聞、雑誌などへの寄稿、講演活動などを実施中。2020年よりYahoo!ニュース公式コメンテーター、2022年Yahoo!ニュースエキスパートを兼務。主な著書「図解即戦力 小売業界」(技術評論社)、「小売ビジネス」(クロスメディア・パブリッシング)。現在、東洋経済オンライン、ダイヤモンドDCSオンライン、ITmediaビジネスオンライン、ビジネス+IT、プレジデントオンライン、新潮フォーサイト、などで執筆、連載中。

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