【孤独のグルメ】”定番崩した”最新2作の通信簿 「脱マンネリ」に挑んだ”新作ドラマ”と”劇映画”は古参ファンに受け入れられた?

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初の劇場版となった『劇映画 孤独のグルメ』は、アクションアドベンチャーとラブストーリーの要素も組み込まれた、盛りだくさんのグルメ人間ドラマになっていた。

料理をベースにしながら、深夜ドラマとはかけ離れた映画らしい派手さを打ち出したストーリーは、従来のテレビシリーズとは異なる作風となり、興行収入10億円を超えるヒットになっている。

『劇映画 孤独のグルメ』ワールドプレミア上映が行われた『第29回釜山国際映画祭』のトークイベントに出席した松重豊。会場には大勢のファンがつめかけ満席となった(画像提供:BIFF2024)

新機軸を打ち出した『それぞれの孤独のグルメ』と『劇映画 孤独のグルメ』の新作2作は、11年にわたって積み上げられてきた“シリーズの強度”と“ファンとの強い絆”を改めて示す結果となった。

新規ファンを取り込んだが、真価が問われるのは”次作”

改めて振り返ると、この2作はとてつもなく大きな役割を担っていたことがわかる。いち深夜番組だった『孤独のグルメ』が、10年を超える安定の人気シリーズへと成長を遂げた中で、その継続性を判断すべく仕掛けた勝負作だったのだ。松重豊をはじめ制作陣は、そこに進退をかけていたことだろう。

ドラマの盛り上がりや劇場版の興行収入を見るに、シリーズが打ち出した新規性は好意的に受け止められたと評価していいだろう。従来のファンに加えて、ゲストキャストそれぞれのファンや、劇場版で初めてシリーズに触れた新たな層を呼び込んだことが予想される。

ただ、今回の2作はシリーズ特別編と銘打たれており、パイロット的な意味合いもあった。ゆえに、その真価が問われるのはシリーズ次作であり、新たな層も取り込んだ作品の市場評価は、視聴率として明確に示されるだろう。

いまは両作を振り返って楽しみつつ、新作を待ちたい。

武井 保之 ライター

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たけい・やすゆき / Takei Yasuyuki

日本およびハリウッドの映画シーン、動画配信サービスの動向など映像メディアとコンテンツのトレンドを主に執筆。エンタテインメントビジネスのほか、映画、テレビドラマ、バラエティ、お笑い、音楽などに関するスタッフ、演者への取材・執筆も行う。韓国ドラマ・映画・K-POPなど韓国コンテンツにも注目している。音楽ビジネス週刊誌、芸能ニュースWEBメディア、米映画専門紙日本版WEBメディア、通信ネットワーク系専門誌などの編集者を経て、フリーランスとして活動中。

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