日帰りで気軽に山歩きを楽しむ「フラット登山」のススメ 気軽に、気持ち良く、楽しく歩こう!
フラット登山には、3つの意味がある。
急登(きゅうとう)にヒイヒイ言うのだけが登山じゃない。フラット(平坦)な道も歩いて楽しもう。
自然と向き合える楽しい登山の世界にまで、ヒエラルキーを持ち込みたがる人たちがいる。いわく「冬山のほうが偉い」、いわく「日本百名山をたくさん登ってるほうが偉い」。そういう下らないマウンティングから脱却して、みんながフラット(平等)に登山を楽しもう。
登山を難しく考えすぎるのはやめよう。もちろん遭難対策は忘れてはならないが、もっと気軽に週末日帰りでふらっと登山を楽しもう。
とにかく歩いて楽しんで、登山の喜びをみんなで味わおう。そういうメッセージを本稿は届けようとしている。
活力を加えながら休むために
そしてわたしが提唱するフラット登山は、21世紀における新しい活力の源でもある。疲労しきってしまう激しい登山ではなく、平坦な山道を主に歩き心地良い疲労を楽しめるフラット登山だからこそ、明日へのエネルギーを充填できるのだ。
読者の皆さんは日常的に運動はされているだろうか? 日ごろあまり運動していない人だと、実は疲れが逆に溜まりやすくなるのをご存じだろうか。疲労を減らすためには、週末に寝だめするだけではダメで、実は身体を活発に動かしたほうが良いのだ。
専門家も指摘している。医学博士で日本リカバリー協会代表理事の片野秀樹氏が書いた『休養学 あなたを疲れから救う』(東洋経済新報社、2024年)という本には、ズバリこう書かれているのだ。
「そこでわれわれが提唱しているのが、次の活動に移る前に、休養のほかにもう1つ、疲労を打ち消すような要素を加えることです。 辞書を引くと、 疲労の反対語は『活力』であると書いてあります。この活力を加えて4つの要素にしてはどうか、そう考えたのです。つまり、休養したあとすぐに活動を始めるのではなく、そこからさらに活力に満ちた状態までもっていき、再び活動する、というサイクルです」
日本リカバリー協会の調査によると、日本人の8割もの人が「疲れている」「慢性的に疲れている」と答えているという。ところがいまの日本人の労働時間は決して長くなく、先進国の中でももはや少ない部類に入っている。「そんなに働いていないのに、なぜかいつも疲れている」という矛盾した状態にいるのが、現代日本人なのだ。
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