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成功するテック系スタートアップは、どのように事業を立ち上げ、ビジネスモデルを実現するのか?

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  • 井上 達彦 早稲田大学商学学術院教授
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テック系スタートアップとしては、補完財の開発と取引のインフラを整備することに経営資源を集中することができます。

経営者視点でのポートフォリオを組む

第2に、資金調達に成功しているテック系スタートアップのビジネスモデルは、研究開発から収益化までの長い道のりを乗り切るために、ベンチャーキャピタル(VC)の言いなりにはならず、経営者視点でのポートフォリオを組みます。

井上達彦(いのうえ たつひこ)/神戸大学大学院経営学研究科博士課程修了、博士(経営学)取得。2008年より現職。早稲田大学産学官研究推進センター副センター長・インキュベーション推進室長などを歴任。専門は、ビジネスモデルと競争戦略。主な著書に『ゼロからつくるビジネスモデル』『模倣の経営学』などがある(写真:本人提供)

経営者としては、理想を実現するためには、たとえ外部からの資金が途絶えてもなんとか生き延びてチャンスをつなごうとすることでしょう。食い扶持となる事業を立ち上げたり、複数の事業を抱えてリスクを分散させようとしたりするのは、そのためです。実際、拙著『テック系スタートアップのビジネスモデル』で紹介した企業のほとんどが、長期戦を覚悟してすぐに収益に結びつくようなビジネスを社内に立ち上げていました。

エイターリンク、インテグリカルチャー、アトミス、プランテックス、テラドローンなどは、それぞれ手堅い事業で生き残りを確実にしつつ、将来の拡大戦略に備えています。

しかし、投資をするベンチャーキャピタリストにとって、このような行動は必ずしも望ましいわけではありません。「VCとしては手堅いビジネスを行ってほしいわけではない」というコメントが、それを裏づけます。リスクを分散させるような活動に割くエネルギーがあるぐらいなら、それを本命の事業に集中してほしいのです。

VCにとって、そのスタートアップというのは、数多くある投資先の1つにすぎません。10のうち1つが大きく成長すればよいのです。複数の投資先でリスク分散するという考え方がベースになっています。

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