成功するテック系スタートアップは、どのように事業を立ち上げ、ビジネスモデルを実現するのか?

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

それでは、テック系のスタートアップは、限られた資源でどのようにビジネスモデルを設計し、事業を拡大しようとしているのでしょうか。大企業も、資金調達に成功しているスタートアップから学べることがあるかもしれません。

レシピとしてのビジネスモデル

ビジネスモデル研究が活発な国際ジャーナルでは、今からさかのぼること15年前にビジネスモデルの特集が組まれ、そこで画期的な論考が出されています。そこで提唱されたのが「レシピとしてのビジネスモデル」です。

この論考の著者であるベーデン=フラー教授らは、ビジネスモデルづくりを料理のレシピ(Recipe)にたとえました。レシピがあれば、食材を最大限に活かして美味しい料理がつくれるようになります。同じように、社内の技術も、たとえ眠っていたとしても上手に活用してイノベーションを引き起こせるのです。

念のため、レシピとは何かを説明しておきます。

「料理の作り方や材料を記した指示書のことである。料理を作る際に、手順や必要な材料を確認するために用いられる。また、独自のレシピを考案し、他人と共有することで、新たな料理の発見や人気料理の普及にもつながる」(実用日本語表現辞典)

レシピには必要な材料やそれを加工する手順が書かれていて、料理人の力量さえあれば、同じような料理をつくったり工夫したりできます。ビジネスモデルも同じように、必要な経営資源やそれを活用する手順を示せば、レシピどおりに高収益の仕組みづくりができると考えられます。

私たちは、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の協力も得てディープテック系25社の経営者にインタビューを行うことができました。世界最高水準の起業系のトップジャーナルを参照しながら、日本のテック系スタートアップがどのようなビジネスモデルを構想しているのか、そのレシピについて伺ったのです。

次ページ収益をあげるレシピは3種類
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事