小泉進次郎もご執心、無人タクシーの実力は? ハマスタをロボットタクシーが駆け抜けた夜

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今回の実験では、2台の自動運転タクシーが公道を走る計画だ。藤沢市内の住民から50名程度のモニターを募集し、自宅から大手スーパーへの3キロメートル圏内の買い物に、2週間ほど自動運転タクシーを使うことを想定している。

進次郎氏にとって自動運転タクシーは、肝いりのプロジェクトでもある。同氏は、今年2月下旬に開かれた「近未来技術実証特区検討会」で、谷口氏が説明した自動運転タクシー構想に強い関心を示していた。

2020年までの実現を目指す(撮影:尾形文繁)

谷口氏も進次郎氏の熱意に心を打たれ、「2月末にお会いしてから半年間でこの状況。ベンチャーはスピード感が命だから、大感動している」ともはや相思相愛の仲だ。

進次郎氏が強く意識するのが、米グーグルやアップルといった海外の巨大IT企業だ。

「日本が負けないためには、横並びの動きではなく、競争環境を作って突き抜ける技術が生まれるような国の政策支援が必要」(進次郎氏)と強調する。

ただ、自動運転にはまだまだクリアしなければならない課題も多い。実証実験中も、運転席にはドライバーが座り、自宅から幹線道路までは手動で、幹線道路から大手スーパーまでを自動運転に切り替えなければならない。

世界の巨人相手にどこまで戦えるか

完全な自動運転でない理由は、安全面の問題に加え、国連で決められた「道路交通に関する条約」(通称、ジュネーブ条約)で運転者の不在が認められていないためだ。こうした法制度のみならず、安全性や事故時の補償など解決しなければならないハードルは多い。

進次郎氏は「ジュネーブ条約改正に動けば、日本の道路交通法を変えることができる。日本は(改正に関する議論については)オブザーバーの立場だが、積極的に働きかけている」と意欲を示したうえで、東京オリンピックが開催される2020年の実現を目標に掲げる。

ただ、自動運転技術はグーグルなどのIT企業ほか、トヨタや日産といった大手自動車メーカーも開発を進めている。設立されたばかりのロボットタクシーは大手企業に先んじて、実用化にこぎ着けることができるか。スピード感が試される。

前田 佳子 東洋経済 記者

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まえだ よしこ / Yoshiko Maeda

会社四季報センター記者

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