「実は子どもが小さい頃、子どもの心臓が悪くて入退院を繰り返していたのでその借金が300万ほどあったんです。だから、離婚後家計は大変でした。また、子どもが小学生の頃に発達障害の一種の自閉スペクトラム症の傾向を指摘されて支援級に入れた時期もありました。
それで、そのまま公立の中学校に入れるのは厳しいなと感じて比較的校風が自由な私立中学を受験することにしました。でも、その学校は県内でも学費が高い学校だったので、元夫に一部出してもらったのですが、元夫は学費を出し渋りましたね……。
でも、このように育児にはお金がかかるので、いざというときに援助してもらうために元夫とは良好な関係を築いておくのが重要だと思っています。お金は苦しかったのですが、子どもと過ごす時間が増えたのは嬉しかったです」
昼は派遣、夜はスナックでバイト
借金の返済と私立中の学費を稼ぐため、昼は大手企業の派遣社員として働き、夜はスナックでバイトをする日々が始まった。学食で働いていた頃より大手企業の派遣社員として働き始めてからは時給がぐんと上がった。それでも必死で働いた。
学費が高めの私立中学となると、回りの生徒は両親がそろっていて裕福な家庭が多かったのではないかと尋ねると、やはりそのような家庭ばかりで野田さんのようにシングルの家庭はいなかったという。ただ、ちょうどコロナ禍で学校行事などで出かけることが少なかったため、ママ友付き合いはせずに済んだ。
今年の春、子どもが18歳になり専門学校へ進学した。私立中進学のときも学費を出し渋った元夫だったが、高3の受験で塾代や専門学校の入学金などを援助してもらおうと連絡したところ、この際も出し渋られた。
幸い奨学金に受かったのと、入学時に『つなぎ融資』という奨学金が出るまでの間につないでくれる融資が出たが、その奨学金が出るまでの間のお金を元夫に頼んだのだという。
元夫がお金を出し渋った理由としては、元夫が高卒な上に都心で暮らした経験がないため、受験にどれだけお金がかかるのかをわかっていないためだと野田さんは語る。そして今年は離婚して10年の節目でもある。この10年を振り返ってどうだったのかを聞いた。
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