「昼は派遣、夜はスナックでバイト」40歳で子連れ離婚、借金返済と私立中学費で家計は火の車。シンママが歩んだ壮絶な10年と現在を聞いた

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「お金の面ではものすごく大変でしたが、借金も無事返済しましたし、挑戦することも多くて楽しく、精神面では良かったと思っています。子どもの高校の卒業式が終わったら『ようやく子育てが終わった!』と脱力しました。ちなみに子どもの学費や受験費用を出し渋った元夫とは先日縁を切りました。

まさに“金の切れ目は縁の切れ目”ですね(笑)。私は元夫と縁を切りましたが、子どもは元夫と自由に連絡が取れるようにして好きなときに会いに行っているようです」

育児が終わり、自分のやりたいことを

シングルの子育てだと反抗期も大変そうだが、野田さんの子どもは反抗期など特になかったそうだ。野田さんの子育ての方針として、「子どもは自分の分身ではなく、一人の別の人間」という考え方があり、アドバイスはするけれど決めるのは本人、踏み込み過ぎず子どもの気持ちを尊重するということを心がけていたのだという。

「一人っ子だったので比べる対象がいないんですね。これできょうだいがいたらすごくしんどかったと思うんです。自閉スペクトラム症があるので、こんなにしゃべらないんだとか、こんなに運動ができないんだとかいろいろ考えたんだと思いますが、一人っ子だからこんなもんか、で済んだのかなと。

でも、発達障害に関しては本を読んだり療育施設に通ったりとかなり勉強しました。それに、私も自閉スペクトラム症の傾向があって似ているので、自分がしてほしかったことを子どもにやったという感じです。今日はこういったことがあるから、こういう順序でやるといいよ、といったふうに」

子育てが一段落した野田さんは、今自分のやりたいことに挑戦し始めている。

「元々映画が好きで、そういったことをブログに書いていました。そしたら人に『そんなに映画が好きなら自分で映画を作ってみたら?』と言われ、関係者にも声をかけてもらったので、じゃあ作ってみようと。役者さんも東京の役者さんに依頼したりして今、クラウドファンディングを進めています。

もう50歳なので年を取っていますが、そんな年になってからでも始められることがあるんだよと子どもに見せてあげたいんです。芸能界とか全然つながりがなくても、自分がやろうと思って腹をくくったらできることがあるんだよ、と」

経済的には苦労することが多かったが、シングルでの育児に参ることもなく子どもを立派に育て上げた野田さん。そして今は新たな夢に向かって生き生きと活動している。きっと子どももそんな野田さんを見て感謝していることだろう。

アラフォー離婚後のリアル 姫野桂
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姫野 桂 フリーライター

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ひめの けい / Kei Himeno

1987年生まれ。宮崎市出身。日本女子大学文学部日本文学科卒。大学時代は出版社でアルバイトをしつつヴィジュアル系バンドの追っかけに明け暮れる。現在は週刊誌やWebなどで執筆中。専門は性、社会問題、生きづらさ。猫が好きすぎて愛玩動物飼養管理士2級を取得。趣味はサウナ。

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