「企業・団体献金がなくなれば政治のダイナミズムが削がれる」役職停止処分明け・萩生田光一氏が「政治とカネ」問題に今思うこと

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

――政治とカネの問題がくすぶり続けています。4月にも、かつて安倍派の幹部だった世耕弘成・衆議院議員の参考人招致が予定されています。こういった状況をどう見ていますか。

参議院側で(参考人招致について)提案があって、よもや自民党まで全会一致で賛成するとは、私にはちょっと違和感がありました。

もしかすると参議院内部に「旧安倍派vs.それ以外」みたいな確執があって、パフォーマンス的に決定されたことかもしれないし、本当に世耕さんを呼んで話を聞かなきゃいけないのかもしれない。そこはわかりませんが、ではなぜこういう形で、なぜ世耕さんだけなんだと。

ほかにも関係者はいますし、それぞれ発言が違ったということであれば、なおさら全員呼ばないと不公平感があるように感じます。

――旧安倍派の裏金問題はまだ全容解明に至っていません。追及はまだまだ続いていくと。

終わりはきっとないんだと思います。間違いを起こしてしまったのはわれわれのグループ(旧安倍派)です。私も含めてメンバーの多くは、派閥のルールをしっかり守っていたんだけど、そのルールそのものが間違っていた、違法だったという事態でした。

だから自分たちとしても「え?」というところがあったんですが、俯瞰して見ると国民の皆様の政治不信を招くことになってしまったし、その責任は重大だと思っています。どこかで終わりではなくて、一人ひとりがそれぞれの政治活動を通して信頼を回復していくほかないんだろうと。

派閥にはいい面もあった

――そんな中で「10万円の商品券」問題が起きました。今回、石破茂総理が新人議員に配布したという個別の問題だけでなく、自民党で綿々と続いてきた体質への批判も集まっています。

自分自身の初当選のころを思い出してみると、1年生だからという理由で金品を配られたことはありませんでした。ただ、何か大きなミッションが終わったり、党大会の準備をしたりした際の打ち上げで、お土産の中にワイシャツの仕立券が入っていた、といったことはありました。

とはいえ正直言って、政治とカネの問題がこれだけ議論されているさなかに商品券を配るというセンスは……。石破さんもそうだし、官邸の人もあれだけ出席していたわけですから、もうちょっと配慮があってもよかったのではないかと思います。

――裏金問題が発覚する前と後では環境が変わったという認識ですね。

加えていうと、派閥はずっと批判されてきたものではあるのですが、実は若い議員にとっての教育機関としてはいい面も多くありました。今は細かい疑問をすぐ聞けるような仕組みがなくなってしまったので、そういう意味では若い人が気の毒だなと。

商品券に関しては、石破さんの「労いのつもりで渡した」という話は本当だと思いますし、法的にも問題ないのだろうと。あとは政治的、道義的に正しかったのかどうか。これを受け取った1年生の側の責任にする向きがあるとしたら、それはちょっと違うかなと思います。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事