ウイルス変異?生活の変化?流行のピークがずれている「急性胃腸炎」で考えられること《ノロウイルス》対策がまだまだ必要なワケ
罹患しても、健康な人であれば適切な水分補給を行い、安静にしていれば、ほとんどの場合は数日間はつらいが自然に回復する。しかし、乳児や高齢者は脱水症状を起こして重症化したり、嘔吐物をのどに詰まらせて窒息したりするおそれがあるため、注意が必要だ。
感染経路は、主にノロウイルスに感染した食品や水を食べたり飲んだりすることで起こる経口感染と、感染者の便や嘔吐物から人の手を介した2次感染がある。感染者の嘔吐物を片付ける際、乾燥したウイルスが空気中に飛散し、それを吸い込むことで感染する事例も確認されている。
嘔吐物をのどに詰まらせる例も
ノロウイルスで象徴的なのは、感染した食品取扱者を介して汚染された食品を摂取したことで生じる食中毒だろう。飲食店や高齢者施設などで起きれば集団感染となり、重症者や死者が発生する可能性がある。
今年2月末には富山県富山市の高齢者施設で蒸しガキを食べた人たちの間で集団食中毒が発生し、入所者1人が嘔吐物をのどに詰まらせ、死亡した。
厚生労働省の2025年の食中毒発生事例を見ると、今年だけですでに110件以上の報告がある(4月1日までに報告があった事例※外部配信先ではイラストを閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)。

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