東大生が語る《大学でギリシア語を学ぶ》面白さ 自分の視野や可能性を広げることができる

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例えば、先ほど挙げたような英単語はそれぞれ、以下のような語幹の組み合わせによって意味を構成しています。

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ギリシャ語 東大
(図:『古典ギリシア語初歩』をもとに、筆者作成)

ここでわかるように、語源の意味をつなげて理解することもできます。

例えば、生物系の研究のことを「バイオ系の研究」と呼んだり、伝記のことを英語で「バイオグラフィー」というのもギリシア語のbios(生命・人生)が語源です。他にも震央のことを「エピセンター」と呼びますが、これはepi(上)+center(中心、ここでは震源のこと)が語源です。

語源から覚えることで深く理解できる

さらに「世の中には憎悪の気持ちが溢れているがそれと同時に人類には希望が残されている」という逸話で有名なパンドラの箱の「パンドラ」の部分はpan(すべての)+dora(贈り物)であり、pandoraで「神々から与えられた全ての贈り物」の意味です。

全景やパノラマを意味する英単語panoramaはpan(すべての)+horama(景色)のように構成されていますし、「コロナのような感染症のパンデミック」と言うときのpandemicはpan(すべての)+demo(民衆)に影響を与えるような流行病、という意味です。

さらにさらに、大正デモクラシーなどと言うときのdemocracyはdemo(民衆)+cracy(権力)であって、民衆が力を持つ=民主主義という意味であり、逆に独裁政治はmonocracyと言いますがこれはmono(単一の)+cracy(権力)で、力が1点に集中しているからこそ実現する政治体制ということです。

単語を覚えるにしても、単語を分解して語源から覚えることで関連する語源を網羅的に理解することができ、効率的に楽しく、そして何より深く単語を理解することができます。

試験中に初めて見る単語に遭遇したときに、語源の知識から単語の意味を類推することができるようになる、というのも語源から英単語を覚えることのメリットです。

また、文法を学ぶために登場する例文自体に含蓄があってとてもおもしろいことも、古典ギリシア語を勉強する際の醍醐味です。

例えばこの文章。読み方は「アナパイレトノ ホプロン ヘー アレテー」です。

ギリシア語 東大
(アンティステネスより引用)

意味は「武勇(徳)は取り上げることができない武器(道具)である」です。

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