東大生が語る《大学でギリシア語を学ぶ》面白さ 自分の視野や可能性を広げることができる

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私自身は理系の学生でしたが、比較言語学やギリシャ語に興味があったので東大2年生のときに古典語(ギリシア語)を履修していました。

世界ではたくさんの言語が話されています。少数言語の研究団体の発表によれば、7000以上の言語が存在すると言われています。

しかし、これらの言語はまったく別々の生まれ方をしたわけではありません。

例えば、現在のインドやヨーロッパ周辺で話されている言語の多くはインド・ヨーロッパ語族という言語のグループに存在し、それらの言語には共通の祖先となる言語が存在したのではないか?と言われています。

残念ながら、その祖先となる言語に関しての文献や書物は残っていないので、比較言語学の理論や手法を使った推定を介しての研究にはなりますが、それでも多くのことがわかってきています。

今ではその祖先となる言語は印欧祖語という名前が付けられており、言語学の研究において重要視されています。

現在の言語につながる印欧祖語

東大で古典語として学べるラテン語やギリシア語、サンスクリット語などは、まさにこの印欧祖語から分化して生まれた言語たちです。そして、英語、ドイツ語、ロシア語、ヒンディー語……などさまざまな言語に分化して、世界中の約30億人によって話されています。

そのため、今でもフランス語やイタリア語などのロマンス諸語や、英語やドイツ語などのゲルマン語には、ラテン語やギリシア語で使われていた単語や発音が残っている単語が多く見られるのです。

ここではギリシア語と英語のつながりを見てみましょう。

皆さんは「バイオロジー」や「アナロジー」、「アポロジー」、「プロローグ」や「エピローグ」、「ダイアログ」いった英単語を聞いたことはありますか?どれも大学受験で頻出の単語なので、英語が得意な人であれば聞いたことがあると思います。

これらの単語に共通して付いている「ロジ(ローグ)」の部分は、古典ギリシア語の「ロゴス」という単語が由来になっています。

東大 ギリシア語
ギリシア語

この単語は「言の葉・論理・推理・計算」などの意味を持つ多義語で、その意味の多さゆえに今でも多くの言語でその名残を見ることができます。

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