今後の日本株を「下支えする業種」は何か?日経平均株価の当面の下値メドは3万3000円程度だ

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
「トランプ相互関税砲」で日本株も大きく下落した。今後をどう考えればいいのか(写真:ブルームバーグ)

日本株が下落している。市場の一部には楽観論もあったが、4月2日にアメリカのドナルド・トランプ大統領が発表した「相互関税政策」では、日本に対しては24%の追加関税率が適用されることが明らかになると、3日の日経平均株価は大幅に下落。さらに4日も一時は3万3000円台前半まで値を下げた。

日本株を下支えする過去最高水準の自己株買い

直近では為替がドル安円高方向に振れているが、トランプ相互関税による日本の対米黒字縮小と、日本とアメリカ双方の金融政策見通しの修正で、中期的にはドル高円安に振れることも考えられる。トランプ大統領も、来年11月の中間選挙までにはまだ時間があるが、景気後退だけは避けたいはずだ。

では、今後の日本株はどうなるか。日経平均で言えば、当面の下値は3万3000円台ではないか。その理由の1つとして、需給による下支え効果があげられよう。何と言っても注目なのは自己(自社)株買いである。

3日も、三菱商事が発行株式数の約17%または1兆円規模にのぼる自己株の取得を発表したが、直近12カ月の自己株買い設定枠は約19兆円に達している。これは2022年からほぼ倍増している。かつて株式市場の需給を歪めたと批判された日銀のETF(上場投資信託)購入枠に対して、3倍超の規模の買いが株式需給を引き締めていることになる。

やや皮肉なことに、賃上げにも設備投資にも使われなかったお金が、株主還元に向かっている構図だ。自己株買いの発表が集中する5~6月(3月期末決算の発表時期が中心)に向けて、株主還元に対する期待は膨らむ。

次にマクロ面では賃上げ動向が注目される。2025年春闘では5%を超える賃上げが示され、そのうち基本給の底上げであるベア相当部分は3.8%(連合第2回集計)と非常に強い結果となり、3年連続の賃上げ実現が確実な情勢となっている。現在3%近傍で推移している毎月勤労統計(厚生労働省)における一般労働者(≒正社員)の所定内給与は、2025年央ごろに3%台前半までさらなる上昇を遂げる公算が大きい。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事