お笑い活動においても、もともと全力で取り組むことが信条で、病気を経験したからといって特に変化はない。
死の恐怖を十分に味わったという意味では、死生観に多少なりとも影響はあったが、人格や性格はこれまでのまま。修行を経た僧侶のように、達観した心持ちになれたということはまったくなく、些細なことでクヨクヨしたり、イライラしたりしてしまう。結果的に、日常生活や仕事など「生き方」にさして変わりはなかったのだ。
その後、新型コロナの猛威や、ワハハ本舗からの独立など、コラアゲンさんを取り巻く環境にさまざまな変化があった。そんな中でオンラインライブにチャレンジしたり、新しいネタづくりをしたり、企業向けに講演を始めたりと、芸人として精力的に活動を続けていた。

ライブ中に「心筋梗塞」を発症
2022年9月8日、横浜の劇場でのライブ中に突如、コラアゲンさんを病魔が襲った。
約1時間のライブ中、45分が過ぎたころ、胸に激痛が走ったのだ。心臓を思いきり握りつぶされるような痛みだった。空気が薄くなったようになり、呼吸もまともにできない。実はこのとき、心筋梗塞が発症していたのだった。
明らかに異常事態だと気づいたが、何とか最後までネタをやり切った。
「始まって10分でこうなっていたら、ギブアップしていたかもしれません。けれど残り15分だったので、とりあえず頑張った感じです。息はできなかったけれど、何とか声は出ていたし、無事終えたつもりでした。けれどSNSで、『尋常じゃなく汗が出ていた』って書いている方が何人かいたので、やっぱり異常に見えたのかなと」
楽屋に戻り、館長に体調不良を伝えると、すぐに救急車を呼んでくれ、近くの病院に搬送された。発症から2時間後には手術が行われ、無事に成功。集中治療室で2日間を過ごした後、約3週間の入院を経て退院できた。
心筋梗塞は、約40%の人が亡くなってしまうとされる恐ろしい病気だが、コラアゲンさんは無事に生還したのだった。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら