コラアゲンさんに大腸がんが発覚したのは2017年。肺に痛みがあり、父親を肺がんで亡くしていることもあって、かかりつけの医者へ。異常はなかったが、医者が数年前のカルテを見返していたところ、「血便あり」という記録に気づいた。
「精密検査に行った?」「行ってないんです」というやり取りの後、医者は大病院での検査を勧める。すると大腸がんの疑いがあると伝えられ、約1カ月後に「ステージ1の大腸がん」と診断されたのだった。
宣告された瞬間を、「絶望でした」とコラアゲンさんは回想する。
「僕は本当にネガティブでビビりなので、どうしよう、怖い、死ぬんだ……と、とにかく悪いほうに考えていました。先生は『ステージ1だから大丈夫』『手術も簡単に終わる』と言ってくれたんですけど、僕があまりにも聞く耳を持たないから、かみさんが呼ばれましたね」
突然、医者に呼ばれた妻は、「まさか余命宣告では……」と驚いたそうだが、実際は「ステージ1でこんなにパニックになる人はいない。何とかしてほしい」と懇願された、というオチがついている。

特に死生観は変わらなかった
医者や妻の説得で、死ぬ確率は限りなく低い、と理解したコラアゲンさん。その夜にライブ出演を控えていたことで気がまぎれ、前向きになれたと振り返る。
約2週間後に行われた手術は、内視鏡で患部を切除する方法で、1時間ほどで終了。術後の経過も良好で、すぐに日常生活を取り戻せた。
人は死に直面すると、死生観や生き方が変化するとしばしば聞く。コラアゲンさんの場合も、病気や死への恐怖から、生活習慣を見直そうと本気で考えた。だが実際は、ときどき不摂生をしてしまう。「わかっちゃいるけどやめられない、なんです」とコラアゲンさんは苦笑する。
「僕はそれまでも、悪玉コレステロールや中性脂肪が多くて、脳梗塞や心筋梗塞のリスクがあると医者から言われていたんです。がんをきっかけに、食生活を改善したほうがよかったのでしょうけど、どこか他人事で、コンビニ弁当やカップ麺を食べてから寝る、という生活のままでしたね」
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