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英語教師が24時間実演して発信!フィリピンの日系語学学校がライブコマースを席巻中!

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  • 柴田 直治 ジャーナリスト、アジア政経社会フォーラム(APES)共同代表
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中国のライブコマースでは、出品企業がSNSで多くのフォロワーを持つインフルエンサーをホスト役に起用したり、インフルエンサーが自ら好みの商品を選んで売ったりする例が多い。

この形式だと短時間に爆発的な売り上げを期待できる一方で、インフルエンサーの発信時間には限りがあるうえ、商品に思い入れがない場合はコスト(コミッション)の割に売り上げが伸びないこともある。

これに対してQQは著名インフルエンサーに頼らず、24時間体制で多くのアカウントを組織的に運用する戦略をとっている。もっともホストとして人気の出た3人が退社し、フリーのインフルエンサーになったが、去る者は追わずの姿勢だ。

インセンティブで教師の給与も大幅増

手探りで始めたライブコマース事業だが、2年余りが経過する中でマニュアルも完成し、新たに参加する教師には2週間の講習を実施するようになった。

ランキングを見た関係者などから視察の申し込みが相次ぐが、惜しむことなく公開している。QQの人海作戦をまねできるところはほとんどないと考えるからだ。

参加する教師は、英語の授業同様に給与が支払われるほか、売り上げに応じてインセンティブを受け取る。初任教師の月給は2万ペソ程度だが、ライブコマースと兼業し、5万ペソを受け取る教師も多い。10万ペソ以上を稼ぐ専業者もいる。

事業立ち上げから参画するネルシー・マルトゥリリャスさん(25)は当初、教師と掛け持ちだったが、ネスレの食品を12時間で300万ペソ販売した実績を買われ、専業となった。その後、同部門のマネジメントの一員となり、4つのアカウントの責任者を務める。

「ホストを始めたときは、カメラを前にしてしゃべるのが恐怖だったが、教師としての経験が生きた。オンラインを通じた人とのやり取りのコツをつかむと売り上げが伸び、給与も大幅に増えた。とても満足している」と話す。

QQは2025年、教師の数を3500人まで増やすべく新たに2つの寮を建設中だ。藤岡頼光代表取締役は「英語ビジネスに加えてライブコマースも含めて安定した雇用の機会を増やし、フィリピンの社会に貢献したい」と目標を語っている。

テレビショッピングが普及し、少子高齢化が進む日本では他のアジア諸国と比べてライブコマースがトレンドになっているとはいいがたい。しかしTikTokがライブコマースを開始すれば、若者の心を一挙につかむ可能性もあるだろう。

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