英語教師が24時間実演して発信!フィリピンの日系語学学校がライブコマースを席巻中!
イギリスのネット調査会社「Data Reportal」のレポート「Digital 2022:The Philippines」によると、フィリピン人は世界最長の1日平均10時間47分をネット利用に費やしている。TikTokの利用者はフィリピンで約6300万人。ソーシャルメディアのプラットフォームとしてはフェイスブックに次ぐ利用者数を誇る。
QQがライブコマースを始めたのは2022年12月。TikTokライブの盛況を知る中国人スタッフが導入を提案した。「中国や東南アジアでは先行業者が多く、これからの投資はリスクが大きい」と反対の声が強かったが、フィリピンではまだ余地があると判断し、事業化した。
当初は視聴者も売り上げもなかなか伸びず、2023年の売り上げは4億円ほどだったが、試行錯誤でノウハウを積み重ね、2024年は40億円と前年の10倍を売り上げた。
24時間態勢という強み
TikTokフィリピンが2024年に毎週発表していたライブコマースのランキングでQQのアカウントはベスト3をたびたび独占し、ベスト10のうち6、7を占める常連だった。売り上げナンバー1で表彰されたホストもQQの教師だった。
QQのチャオ・ウェンジェCTO(最高技術責任者)は、2025年の売り上げは100億円に届くと確信し、数年以内に1000億円を達成するとの目標を掲げている。
売り上げからQQは手数料を受け取る。歩合は出品者との交渉で決まる。携帯電話など比較的高価で実販売店と競合する商品は2~3%と低いが、アクセサリー類は20%。平均すると7%ほどという。
QQ全体の売り上げは2024年、オンライン英会話とセブ留学を合わせて約60億円だが、ライブコマースは3億円ほどの手数料収入で貢献した。2025年は10億円近くを期待しているという。
ライブコマース成功の秘訣は豊富な人的資源にある。同社はセブで2600人の英語教師を正社員として雇い、このうち1800人は2つの校舎の寮に住み込んでいる。この態勢で世界30カ国を結んで24時間のオンライン英会話授業を毎日2万2000コマ提供している。
教師から希望を募り、600人がライブコマースにも従事する。500人は英語教師と兼務だが、売り上げ好調な100人は教師から配置転換でライブコマースの専従となった。
オンライン上で相手に意図や思いを伝える点で英会話の授業との親和性は高い。人の配置も24時間3交代体制のオンライン英会話とほぼ同じだ。
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