だらしない「ビール腹」は酒だけが原因ではなかった→脂肪肝を加速させる意外な食べ物

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それと、近年、安いし、甘いし、グイグイ飲めて手っ取り早く酔えると人気なのが「ストロング系缶チューハイ」です。

でも、私はこれは「肝臓の健康にもっとも悪い酒」なのではないかと考えています。9%の缶チューハイ500㎖の純アルコール量は36gあるのですが、これはアルコール度数43%のウイスキーロック(30㎖)の3.5杯分に相当します。この度数のアルコールを「気軽にグイグイ」と飲んだりしたら、肝臓が大ダメージを被るのは避けられません。毎日何本も飲んだとしたら、それこそアルコール性肝障害まっしぐらでしょう。

しかも、ストロング系缶チューハイには、果汁やフルーツフレーバー、果糖ブドウ糖液糖などを添加して飲みやすくしたものが少なくありません。すなわち、肝臓からしてみれば、「アルコール度数」と「糖質量」の両面において「避けておいたほうがいいヤバイ酒」ということになります。

もっとも、こうした健康面での懸念に配慮してか、大手飲料メーカー各社では、ストロング系缶チューハイの販売を見直す動きが広まってきているようです。わたしたち消費者も、こういった健康リスクがあることをしっかり頭に入れたうえで飲むアルコールをセレクトしていくべきでしょう。

100歳まで酒を愉しめる飲み方

とにかく、アルコールは「単に酔えればいい」というものではありません。日々の生活の潤滑油として長く健やかに愉しむべきものです。

長く健やかにアルコールを愉しむには、「適量」を守るのはもちろん、糖質の少ないつまみを選んだり、糖質の多い甘い酒を控えたりする姿勢も必要ではないでしょうか。

普段からそうした姿勢で飲んでいれば、肥満や脂肪肝を進ませることもなく、体の健康を心配する必要もなく、かなりの高齢になるまで長くアルコールを愉しめるはずです。80歳、90歳はもちろん、100歳までアルコールを愉しむことも可能でしょう。

私は、そういうふうに人生のよき伴侶として末長くアルコールとつき合っていくことこそが「節度ある飲み方」なのだと思います。ぜひみなさんも、「肝臓に悪くなく、肥満にもならない飲み方」を身につけて、アルコールを自分の人生の味方につけていくようにしてください。

栗原 毅 栗原クリニック東京・日本橋医院長

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くりはら たけし / Takeshi Kurihara

医学博士。北里大学医学部卒業。慶應義塾大学大学院特任教授、東京女子医科大学教授を歴任。2008年、メタボリックシンドロームや糖尿病などの生活習慣病の予防と治療を目的とした栗原クリニック東京・日本橋を開院。「血液サラサラ」の提唱者の1人でもある。主な著書・監修書に、『決定版!内臓脂肪を落とす名医のワザ』『ズボラでも中性脂肪・コレステロールは下げられる!』(ともに宝島社)、『栗原式 書いて下げる魔法の血圧手帳』(笠倉出版社)、『お茶のすごい健康長寿力 高血糖、高血圧、肥満、内臓脂肪から免疫力、認知症、不眠、イライラまで効く!』(主婦の友社)など多数
 

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